北九州医療刑務所(北九州市小倉南区)で05年、男性受刑者(当時25)が独居房で自殺したのは、刑務所側に注意を怠った責任があるとして、同市八幡東区に住む受刑者の母親が国に約4500万円の損害賠償を求めていた訴訟の判決が6日、福岡地裁小倉支部であった。青木亮裁判長は2090万円の支払いを命じた。
男性受刑者は04年、覚せい剤取締法違反の罪で佐世保刑務所(長崎県)に収容され、05年8月に北九州医療刑務所に移送された。同年9月24日に独居房の中で首つり自殺しているのが見つかった。
受刑者は床から高さ約30センチのタオル掛けに、刑務所が貸与したタオルとふきんを結び合わせて作ったひもをかけ、うつぶせの姿勢で首をつっていた。判決は「自殺は予見可能な範囲内の方法で行われ、タオルを貸与したことと因果関係がある。刑務所は自殺防止に向けた措置を講ずるとともに、動静を注意深く観察する義務を怠った」と指摘した。