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生マッコリ 本場の味

2009年10月05日

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輸入を始めた韓国・済州島の生マッコリと中條朝さん

◆20代兄弟、韓国・済州島から輸入販売

 韓国・済州島のマッコリ(濁り酒)に魅せられた20代の兄弟が、自ら輸入を始めた。非加熱の生マッコリは「島外不出」とされていたが、醸造元に通って口説き落とした。原動力になったのは、本物の味を日本でも楽しんでほしいという思い。「マッコリは韓国の民衆文化の象徴。日本でも認知度が上がっており、日韓の相互理解にもつなげたい」と意気込む。
(小石勝朗)

 小金井市の中條朝(はじめ)さん(26)、東久留米市の暁(あきら)さん(21)の兄弟。「かめに商事」(東久留米市)を設立し、7月に初輸入した。

 白色の「済州マッコリ」は、さらりとした辛口が特徴だ。微炭酸を含み、発酵の具合で日によって味が違う。アルコール分も6度と、ビールと同程度で飲みやすい。

 朝さんによると、マッコリは蒸した米と小麦粉に酵母菌、こうじ菌と水を加え、発酵させてつくる。日本で飲めるマッコリの多くは加熱処理してあり、甘めだという。

 朝さんが済州島で生マッコリと出会ったのは、24歳の時。「こんなにおいしい辛口があるのか」と新鮮で、日本に紹介したいと考えた。東京経済大生だった21〜23歳に約20カ国を旅し、各地での体験から「酒を飲んでいる時は誰もが対等・平等」と学んだ。起業するなら酒で、とのこだわりもあった。

 しかし、醸造元の済州合同醸造を今年2月に初めて訪ねると、「韓国本土にも送っていないのに無理」と冷たい言葉が返ってきた。

 輸送や保管の途中に味が落ちるのが心配らしいと分かり、冷蔵コンテナ船を利用したり、冷蔵倉庫に一定の温度で保管したりする段取りをつけ、提案した。3カ月後には相手の表情が柔らかくなり、「そこまで好きなら、やってみろ」とOKが出た。

 一般酒類小売業の免許取得など必要な手続きには、約4カ月かけて自分たちで取り組んだ。販路の開拓も手探りで、サンプルを携えては韓国料理店などに飛び込み営業をしている。

 初回の7月は2400本を輸入。以来、月に一度のペースで、これまでに都内を中心に約50の飲食店に販売し、うち新宿区や荒川区、国分寺市、府中市などの約30店が継続して仕入れているという。賞味期限は製造から100日だが、「一番おいしい状態で飲んでほしい」と、40日を過ぎたものは出荷しない。

 「在日韓国・朝鮮人から『1世がつくっていた味』との評も聞いた。最近は注文が入るようになり、手応えを感じる。丁寧に売っていきたい」と朝さん。月に10万本が目標だ。

 販売は6本以上で、750ミリリットル入り1本699円(送料別)。問い合わせは、かめに商事(042・410・1438、http://www.kame2.jp)。

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