光市母子殺害:実名出版差し止め求める 元少年弁護団

2009年10月6日 13時31分 更新:10月6日 13時48分

 99年に起きた山口県光市の母子殺害事件を巡り、被告の元少年(28)を実名で表記したルポルタージュ本について、元少年の弁護団を務める弁護士6人が5日、広島地裁に出版の差し止めを求める仮処分を申し立てたことが分かった。本は題名に元少年の実名を含めており、インシデンツ(東京都日野市)が出版する。

 著者の一橋大職員で元フリーライターの増田美智子さんが、元少年に25回接見し、手紙のやりとりを重ね、少年から実名表記の許可を得たという。増田さんは「『元少年』という表記は記号に過ぎず、彼への人権侵害ではないか。一人の人間としての彼を感じてもらうため、実名表記に踏み切った」と話している。

 仮処分を申し立てた弁護士は「少年法に基づき、実名報道は許されるものではない。本人は出版前に原稿を見せてもらって実名掲載の可否を決めるつもりだったが、原稿は見せてもらえなかった。本人は承諾してはいない」と話した。

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