経済
日本株に「二番底」懸念 円高加速、国債に資金
景気対策と金融緩和の力を借りて春先から回復していた日本株が、9月下旬から下落基調となり、再び底値を探る「二番底」の懸念が浮上している。金融危機の震源地・米国の景気不安と金融緩和の長期化で一時1ドル=88円台にまで円高が加速。国内企業の収益が圧迫される一方で、政策効果の息切れにより世界経済が失速する兆しを市場がかぎ取っているためだ。
国内では、景気改善の遅れを嫌気して行き場を失った資金が、株式市場から安全資産とされる国債に流入しており「株価は1万円からさらに下落する」との見方が出ている。
日経平均株価(225種)は3月10日、バブル崩壊後最安値の7054円98銭をつけた後、8月には1万0639円71銭と年初来高値を記録した。主要国による財政出動や金融緩和で世界景気の回復期待が高まり、株価が先取り。相場の値上がりが景況感を押し上げる好循環が起きていた。
しかし、この歯車が逆回転し始めており、日経平均は5日まで3営業日続落。下げ幅は計450円を超えた。
引き金は、ドルの過剰流動性を背景にした急激な円高ドル安だ。ゼロ金利をはじめ危機をきっかけに導入された米国の金融緩和策は、依然「出口」が見えない状況。「ドルがじゃぶじゃぶになり通貨の価値が下落」(大手外銀)する中で、藤井裕久財務相の最近の「円高容認」発言が拍車を掛けた。
(2009/10/05 19:58)
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