環境技術開発の加速に向けマツダは5日、1982年以来、27年ぶりとなる公募増資の実施を発表した。厳しい財務環境にあっても、2011年から順次導入する次世代環境車やハイブリッド車(HV)開発には一刻も遅れが許されないとの積極姿勢を示したと言える。
昨年11月に就任した山内孝社長は、従来の内燃機関ベースの環境対応に加え、開発系の幹部にHVの早期開発に向けてハッパをかけ続けてきた。本格的な業績回復がまだ見通しにくい中での資金調達は、「環境開発の遅れは企業の存続にかかわる」(マツダ幹部)との強い危機感からだ。
マツダは資本増強と併せて、09年度から11年度までの投資計画も明らかにした。HV開発などを含む研究開発費は2920億円、設備投資資金は1500億円。次世代車対応のため、本社宇品(広島市南区)防府(防府市)の両工場などでは既に総額1千億円規模の設備投資が始まっており、12年3月までに完了する見通しという。
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