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2009年10月5日(月) 19:15 |
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千足古墳の彫刻の壁一部はく落
岡山で唯一の装飾古墳で、石室内が激しく痛んでいることがわかりました。 古墳の調査を進めてきた岡山大学の研究チームは、貴重な資料の損傷にショックを隠しきれません。
岡山市の千足古墳の石室は、美しい石組みが特徴で、古代吉備最古の横穴式石室とも言われています。 その石室に施された「直孤文」と呼ばれる装飾が、一部では剥がれ落ちるなど、激しく損傷しているのです。 千足古墳は、5世紀後半に築造された、造山古墳のおよそ100m南にある前方後円墳です。 損傷を発見した岡山大学考古学研究室の新納泉教授が、険しい表情を見せます。 新納教授は、5日からこの石室の3次元測量を行なう予定で、その矢先に見つかった損傷でした。 千足古墳の石室は天井部から出入りするという構造上、水がたまりやすく、通常は全体が水に浸かってしまっています。 水抜きは22年ぶりに行われたもので、前回水を抜いた時には損傷は見られなかったということです。 22年の間に何らかの原因で劣化が進んだものとみられます。 直線と弧線による文様、「直孤文」は、千足古墳以外には九州西北部で見つかった古墳のみに見られる貴重なものです。 新納教授は急遽、予定していた測量を中止しました。 岡山市、岡山県教育委員会も現状を把握するため、調査に訪れました。 今後は劣化をどう食い止めるかについて、文化庁と岡山県、岡山市で対応を協議することにしています。
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