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政権交代@北海道

【政権交代@北海道】

補正予算の地域医療再生交付金

2009年10月06日

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■競争率高 自治体、道に陳情攻勢
■ご破算? 執行停止の可能性も

 医師不足など地域医療の課題を解決するという触れ込みで、麻生政権が今年度補正予算に盛り込んだ地域医療再生臨時特例交付金(総額3100億円)の行方に道や市町村が気をもんでいる。道には市町村から希望が殺到しているが、枠は少ない上、鳩山政権の補正予算見直しで執行停止の可能性もある。道から政府への要望期限は16日。道の担当者は「スケジュール通りに作業を進めるしかない」と困惑している。
(平間真太郎、加賀元)

 札幌市で2日に開かれた道総合保険医療協議会。道医師会や北大、札幌医大、旭川医大の教授、自治体病院関係者らが同交付金について話し合った。会合は非公開。道の担当者は取材に対し、「政府の方針も不透明だし、地域の利害が絡む話なので勘弁してほしい」と話すだけだった。

 交付金は5月に成立した補正予算に盛り込まれた。急性から慢性まで比較的高度なサービスが提供できる2次医療圏ごとに支給される。全医療圏ではなく、全国で10医療圏に各100億円、84医療圏に各25億円の規模で配分するとしており、各都道府県が設ける基金に繰り入れる。

 希望する医療圏は道に事業計画を出し、それを踏まえて道が候補を絞り、地域医療再生計画を作って政府に出す必要がある。再生計画提出の締め切りは16日となっている。

 ところが、政権が代わって補正予算見直しの対象になる可能性が出てきた。平野博文官房長官は6日までに対象を決めるとしたが、目標金額に達していないとみられ、スケジュールも不透明だ。

 そもそも交付金の競争率は高い。道によると、交付金を希望しているのは道内21医療圏のうち20医療圏。100億円が5医療圏、25億円が15医療圏だ。道は4医療圏以上を対象にした計画をまとめる予定だが、地域医療の疲弊は各地に共通しているだけに、選考は容易ではない。

 北見市の小谷毎彦市長らは先月25日、市議会を休会にして高橋はるみ知事を訪ね、地元の医療圏を対象にするよう要望した。この件で知事に会うのは2回目だった。

 そこまで必死なのは、老朽化した北見赤十字病院の改築整備に使いたいためだ。同市にとって、同病院は市長が辞職して出直し市長選の焦点に掲げた市庁舎改築と表裏一体の大問題だ。市保健福祉部は「100億円の交付金は過去にも将来にもあり得ない事業。地方都市にとって夢のような政策だ」と説明する。

 北見市以外にも、道には各地の関係者が計画の説明などに訪れており、陳情攻勢はやまないという。道の担当者は「これだけの額があれば、医師の不足や偏在の解消だけでなく、地域医療の課題に幅広く対応できる。政府の方針を注視しながら、実現性の高いプランを推していきたい」と望みをつないでいる。

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