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「世界に知られる好機」 恐竜化石新種認定

米学会誌に論文 喜ぶ関係者

歯、あごの部分の拡大写真。上歯に細かい線、下あごの歯骨に張り出しがある(白山市教委提供)

 白山市桑島(旧白峰村)の1億3000万年前の地層「桑島化石壁」から国内で初めて発見された恐竜の頭部化石が、新種の「アルバロフォサウルス・ヤマグチオロウム」と認定された。これまでも重要な化石が多数発見されていた桑島化石壁だが、同化石壁から発見された化石で新種と学術的に認められたのは今回が初めてだ。

 発見された化石が新種と認定されるためには、世界規模の学会の審査を通過する必要がある。東京大学の大橋智之特任研究員は英国の共同研究者とともに、「化石が新種の鳥盤類化石である」とする論文を米国古脊椎動物学会に投稿。論文が先月30日の学会誌に掲載され、正式に新種として認められることになった。

 桑島化石壁は、約1億3000万年前の中生代白亜紀前期に堆積した。この時代の地層で1か所から大量に多様な種類の動物化石が産出する例は他に少なく、当時の環境や生態系を探る上でも貴重とされてきた。世界最古のスッポン類や植物食のトカゲ類などの化石も化石壁から発見されている。

 今回、一般の人の関心も高い恐竜の新種化石が認定されたことに、市教委は「世界に誇る桑島化石壁の重要性をより広く知ってもらえる好機となる」と期待をかける。

 学名は、長年、化石壁の調査に従事してきた白山ろく民俗資料館の山口一男館長らに敬意を表して名付けられた。山口館長は「調査にかかわった人の代表として、名前を学名に付けていただき、大変光栄」と喜びを語った。

     ◇

 白山市は10日から25日まで、同市桑島の「白山恐竜パーク白峰」で、新種と認められた化石を公開する。

2009年10月6日  読売新聞)
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