西岡、ジョーになれ！生みの親がＶ３戦観戦

　１０日のダブル世界戦（代々木第２体育館）で３度目の防衛を目指すＷＢＣ世界スーパーバンタム級王者・西岡利晃（３３＝帝拳）に強力援軍が現れた。ボクシング漫画「あしたのジョー」の作画者で漫画界の大御所、ちばてつや氏（７０）が、試合当日にリングサイドで応援することが決まった。

　ちば氏はボクシングファンとして知られるが、会場で観戦するのは異例。試合２日前に行われる記者会見では西岡、ＷＢＡ世界スーパーフェザー級王者ホルヘ・リナレス（２４＝帝拳）両王者に自身が描いたイラストを渡して激励することも決定した。

　ジョーの生みの親の来場決定に、西岡はやや興奮気味だった。「本当ですか？すごく光栄です。素晴らしい試合をお見せしたい」。小学生の時から「あしたのジョー」は何度も読んできた。減量中にもかかわらず、王者の顔に笑みが浮かんだ。

　ボクシング好きで、中でも元ＷＢＣ世界スーパーライト級王者・浜田剛史（現帝拳ジム代表）のファンとして知られるちば氏だが、関係者によると、仕事の都合で会場での観戦は「ほとんどない」という。その大御所が「久しぶり」の観戦に選んだのが西岡の試合だった。

　週刊少年マガジン（発行元・講談社）の１９６８年１月１日号で連載が開始されたことから、今年は「あしたのジョー４０周年」。そのタイミングで、浜田氏の帝拳ジムの後輩・西岡が、５月に２４年ぶりの海外防衛の快挙を達成した。スタイリッシュなボクシングスタイルもあり「ぜひ激励を」と決めたという。

　８日に東京ドームホテルで行われる会見では、王者２人を描いたイラストが直接、手渡される。今回のダブル世界戦は販売開始２日で約３０００枚が完売するほど、ボクシング界での注目は高い。それに加えて、大御所の目が西岡のボクシングを認めたことが、王者にとっては何よりの発奮材料になりそうだ。

[ 2009年10月06日 ]