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「販売禁止判決で違法複製減れば」プロテクト外しに悩む業界 (1/2ページ)
正規のゲームソフトだけを使えるようにするゲーム機の「プロテクト」を外し、違法な複製ソフトを使用可能にする手法は、以前から横行しており、ゲーム業界は手をこまねいてきた。ただ今回、マジコンに対する司法判断が出たことを受け、業界関係者は「マジコンが使えなくなることで、ソフトの違法複製も減少すれば」と期待を込めている。
■プロテクト外し
人気ソフトを買わずに、インターネットでダウンロードした違法な複製ソフトが簡単に使えるようになることから、マジコンの使用は横行している。ネットで販売されているほか、秋葉原などの専門店でも売っており、「入手は簡単」(ゲーム業界関係者)だ。
メーカーは、マジコンを使っても違法な複製ソフトが使えないように新たなプロテクトを施してきた。だがネット上で、このプロテクトも解除する手法が出回るなど、いたちごっこが続いてきた。
業界関係者によると、マジコンに類する機器は「Wii」(任天堂)や「PS3」(ソニー・コンピュータエンタテインメント)などの最新機器では確認されていないが、「過去のどのゲーム機にも同じようなものが流通した」という。
■被害の現状
平成16年の発売以来、DSは国内での累計販売台数が2500万台以上、全世界では9600万台以上にのぼる。マジコンなどの不正利用による被害額は、全世界で3000億円以上との試算もある。
任天堂によると、マジコンの利用者は国内だけで少なくとも数十万人規模、マジコン使用者の多くは、海外のサイトやファイル交換ソフト「ウィニー」などを通じて違法ソフトを入手しているとみられる。
コンピュータソフトウエア著作権協会が昨年8月に実施した調査によると、ウィニーを通じてコピーされたDSソフトの本数は1069タイトルで合計185万7988本。全タイトルが常時ダウンロード可能な状態で、中には発売前のソフトも含まれていた。