2009年10月05日

日本人の洗脳固定観念 @

マスコミや政治家、官僚のご都合により植えつけられた固定観念を洗脳固定観念と呼ぶこととします。

その一回目は「JRの民営化は成功した」という洗脳固定観念です。

 

昨日、初めてJR福知山線の脱線事故現場に立ち、犠牲者のご冥福と被害者のご回復を祈ることができました。

 

現場のカーブは、思っていた以上にきつく、レールの傾斜の大きさに驚きました。

 

そして、「これはシステムの問題ではない、スピリットの問題だ」と直感しました。現在、事故調査報告書案の漏えい問題が取りだたされていますが、この報道は枝葉末節なマスコミの商品記事であり、事故の真相解明と再発防止には何の意味をなさないものと考えます。



 

真因は、運転手の精神状態にあると考えていた私は、事故現場に立ちスピリットの問題であると確信しました。

事故で死亡した運転手の「心の叫び」が聞こえてきたような気になりました。

 

運転手は「日勤教育が私を暴走させた」と叫んでいます。日勤教育が事故を誘発した、私にはそう聞こえます。

 

ウィキペディアより

日勤教育に対しては様々な内部告発がなされている。

それらを要約すれば、日勤教育というものの「教育」とは名ばかりであり、「職場いじめ」・「八つ当たり」・「からかい」・「スパルタ教育」などに近いものであるという。またミスを犯した者に肉体的・精神的・経済的な打撃を与えることにより、ミスを犯さないようにしようとせしめる「懲罰」的や「暴力」的なものであるという。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E5%8B%A4%E6%95%99%E8%82%B2

 

つまり、「制裁を加える」「懲らしめる」行為です。民営化で良くなったと言いますが、国営時代にはこのような日勤教育が行われていたのでしょうか。私は勤労者の横のつながりである労働組合が許すはずがなく、行われていなかったと考えます。

 

それでは、なぜ行われるようになったのでしょうか。簡単なことです。民営化で競争の嵐の中に巻き込まれたために、「勝つためにはなんでもやる」という意識が入り込んだからです。

 

高校野球の現場でも、「本人のために制裁を加える」という話をよく聞きます。スパルタ教育の原型は「巨人の星」にあると私は考えていますが、まさに友愛主義と180度異なる自分勝手な行為であり、目指す社会が変わった今、「制裁を加える行為」「スパルタ的行為」を許す思想は、過去のものとしてスクラップしなくてはならないのです。

 

民営化したから、スパルタ的日勤教育が行われ、日勤教育を恐れた運転手が暴走に至り、多くの死傷者を生んでしまった。私は民営化が大惨事につながった、そう分析しています。

 

さらにです。民営化してサービスが良くなったと言われますが、プロの目から見るとそのレベルは低レベルと言わざるを得ません。友愛精神に欠け、自分たちのことしか考えていない、そう思います。

 

昨日もこんなことがありました。東京−新大阪間は新幹線を利用したのですが、私には納得できない仕組みを知ることとなりました。

 

東京駅で往復の乗車券と特急券を購入していました。帰路の途中に浜松で途中下車し、市内のうなぎの名店でお土産を購入する計画でしたが、とんだ「失敗」をしてしまいました。

 

運賃は片道14,050円(乗車券8,510円 特急券5,540)であり、乗車券には途中下車はできると書いてあります。

しかしながら、特急券は途中下車したら無効であると、浜松駅で回収されてしまいました。私は「新大阪−東京間の特急料金を支払っているのだから、乗車券同様に特急券を東京まで利用する権利がある」と駅員に申し立てましたが、「規則ですから」の一点張りで全く取り合ってくれませんでした。

 

「苦情は本部に言ってくれ」を繰り返すばかりで、どういう理由でこのような仕組みになっているのかなど、全く説明する態度ではありませんでした。外国からの観光客が同様に「なぜ」と質しても同じなのでしょうか。

特急券を購入しなければ新幹線に乗ることはできません。日本が世界に誇る新幹線システムにおいて、乗車券と特急券はセットである、誰もがそう考えると思いますが、皆さんはどう考えるでしょうか。

 

結局、新大阪−浜松間を5,540円で利用し、浜松−東京間を3,250円で利用、合計8,790円の特急料金を支払うことになりました。東京ディズニーランドでゲストリレーションのスーパーバイザーを担当した私から見ると、「これがサービスか?」と情けなくなります。

 

コンピューターシステムを変更すればいいだけです。私が責任者なら、即座に改善を命じるとともに、サービスの品質を高める教育指導を徹底しますが、JRに私のこの声は届くでしょうか。

 

JRは民営化されたとはいえ、社員教育のレベルは三流会社と言えるでしょう。「民営化すればうまくいく」とは、「民営化して金を稼ぎ、税金を支払わせる」意味なのです。反対に金が稼げない在来線の多くは廃止縮小されました。私たちの税金で築き上げてきた公共交通システムであったにも関わらず、です。

 

公共財を民営化して金を稼がせる。金のことしか考えない政官業の癒着がつくりあげた「民営化は正しい」は、洗脳固定観念であるのです。新政権により国民は覚醒されることを期待したいと願ってやみません。