「中台統一」宣伝から「先端技術」取得まで
在日中国人留学生が暗躍する特務工作に日本の血税1兆円が使われている
(SAPIO 2008年8月6日号掲載) 2008年8月15日(金)配信
中国人だけを対象にした住宅援助や研究予算
もちろん、対台工作以上に対日工作も活発に行なわれてきた。
近年、中国共産党が日中の青少年交流に力を入れてきたのは間違いない。昨年4月に来日した温家宝首相は、中国語を広める「孔子学院」を日本で初めて設立した京都の立命館大学を視察し、学生と野球を楽しんだ。小・中・高校を含めた立命館学園全体では、「中国語を学ぶ学生が1万人に増加した」(関係者)という。また、今年5月に来日した胡錦濤国家主席は、五輪日本代表の福原愛と卓球を楽しんだ後、早稲田大学で中国人留学生を相手に講演して、対日関係重視を訴えている。
72年の日中国交正常化以降、中国側は日中交流の名のもと大量の留学生を日本に送り込もうとし、日本側もそれを受け入れた。日本の大学は90年代から定員割れの危機に陥り、文部科学省は留学生の受け入れ数を増やし続けてきた。在日中国人留学生の人数(在籍数)は、戦後初めて公式に受け入れを開始した78年の23人から、90年には1万人、00年には3万人、01年には4万人を超え、05年には8万592人と、ついに8万人を突破した(07年は7万1277人)。現在では、外国人留学生全体の6〜7割を中国人留学生が占めている。
中国人留学生の大量流入を後押ししたのが、日本政府の資金援助である。さまざまな資料からその総額を試算してみた。
07年度、文科省は日本の国費で賄う外国人留学生(国費留学生)に対して、総額約223億円の奨学金を給付している。加えて、「短期留学生支援制度」に約17億7000万円、「短期留学推進制度」に約5億5000万円、私費留学生に対する「学習奨励金」に約80億8000万円、合計約327億円を外国人留学生の奨学金として支援している。
文科省は、なぜか対象国ごとの支援金額を公表していないが、単純に7掛けで計算して、「年間約230億円」が、日本人の税金から中国人留学生たちに支払われていることになる。さらに、160以上の自治体・独立行政法人による奨学金、国公立大学の入学金免除制度と授業料3割免除制度がある。この他にも、外務省から補助金を受けている日中友好団体からの住宅補助や、経産省が支援する理系中国人留学生だけを対象とした研究開発予算などの中国人留学生関連援助がある。
あまりにも援助対象が多岐に及んでいるためこれらの数字全てをつまびらかにすることはできなかったが、協力してくれた政府関係者は「(奨学金を含めた総額で)中国人留学生関連予算は年間500億円を下らない。今年は中国人留学生受け入れ開始から30年目を迎えるが、30年間の総額は、軽く見積もっても1兆円を超える」と指摘した。
中国への隠れODA≠ニいうべき見過ごせない話である。
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