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資料4−1
中央教育審議会大学分科会
留学生部会(第1回) H14.12.25

留学生交流関係施策の現状等について

平成14年12月
1.留学生交流の意義
[資料5・13ページ]
  ○我が国と諸外国相互の教育・研究の国際化・活性化の促進
  ○国際理解の推進と国際協調の精神の醸成
  ○開発途上国の場合の人材養成への協力
  ○国と国との「架け橋」

                 下矢印

          このため、 留学生=「未来からの大使」
留学生受入れ=「知的国際貢献」とも言われているところ


2.留学生交流推進政策

(1) 留学生受入れ10万人計画
[資料5・14〜6ページ、資料編2-1〜2-2]
  昭和58年6月、中曽根康弘内閣総理大臣(当時)の指示に基づき、「21世紀への留学生政策懇談会」は、留学生政策全般について、21世紀に向けての長期的視野からの検討を行い、昭和58年8月21世紀初頭において10万人の留学生を受入れるため、留学生政策を総合的に推進するよう内閣総理大臣及び文部大臣に提言。(これを受けて、文部省の留学生問題調査・研究に関する協力者会議が、21世紀初頭における10万人の留学生受入れを目指す長期的計画について検討し、昭和59年6月に、21世紀へ向けての留学生政策の長期的指針を取りまとめた。)

  最近では、平成11年3月に文部省(現 文部科学省)の留学生政策懇談会において「知的国際貢献の発展と新たな留学生政策の展開を目指して−ポスト2000年の留学生政策−」が取りまとめられた。本報告では、まず、21世紀の我が国の留学生政策を「知的国際貢献」として位置付け、諸外国に人材育成に寄与するとともに、我が国にとっても安全保障と平和の維持、国際的な知的影響力の強化などの面で重要な意義があることを明確にした。第二に、「留学生受入れ10万人計画」を今後とも維持し、その達成に向けた一層の取組みを求めた。第三に、量的な面もさることながら一人一人を大事にする質的充実を一層重視することが必要であり、質的充実を図ることによって、これが量的拡大につながっていく事を提言している。そして、今後の施策の重点として、1大学の質的充実のための構造改革の推進2世界に開かれた留学生制度の構築3官民一体となった留学生支援の充実を図ることの三つの柱を掲げ、多くの具体的な施策を示している。


(2) 最近の留学生数等の動向
[資料5・3
○  平成14年5月1日時点の留学生の受入れ状況のポイント
1  留学生総数及び対前年の増加数が過去最高
留学生数は161の国・地域から95,550人(対前年度16,738人(21.2%)増)

2  学部・短期大学・高等専門学校及び専修学校の留学生数が大幅増加
・大学院26,229人( 1,083人( 4.3%)増)
・大学(学部)・短大・高専    50,321人(10,819人(27.4%)増)
・専修学校(専門課程)17,173人( 4,849人(39.3%)増)

3   出身国に関しては中国が大幅増加(全体としては91.6%がアジア出身
・中国    58,533人(61.3%)  [14,519人(33.0%)増]
・韓国    15,846人(16.6%)  [1,121人( 7.6%)増]
・台湾    4,266人( 4.5%)   [14人( 0.3%)増]

留学生の学位の取得状況
  修士課程においては、学位の取得率は理系で約8割、文系で約7割である。一方、博士課程においては、理系で約6割であるが、文系では約2割に留まっている。


(3) 留学生を巡る海外の状況等
1 欧米主要国等の留学生数等
[資料5・14ページ、資料編2-3〜2-4]
  ・米国 約55万人(留学生の割合は約6%)
  ・イギリス 約22万人(留学生の割合は約18%)
  ・ドイツ 約19万人(留学生の割合は約10%)
  ・フランス 約14万人(留学生の割合は約7%)
  ・オーストラリア     約11万人(留学生の割合は約15%)
  ・日本 約9万6千人(留学生の割合は約3%)

2 欧米主要国等の留学生数の推移
[資料編2-3]
  ・米国、イギリス、ドイツ、オーストラリアが着実な増加傾向

3 日本への留学生出身国TOP10における留学先国
[資料編2-4]
     中国、韓国、タイ等の5つの国において、留学先としてアメリカが1位。
  日本は、中国、韓国等ではアメリカやドイツに次いで2位、マレイシア等の国々ではイギリス、アメリカ等に次いで3位〜5位、アメリカでは他の欧米諸国及び中国に次いで6位である。

4 欧米主要国等の留学生政策・推進体制等
[資料編2-5〜2-6]
  ・イギリス、ドイツでは従来から留学生支援機関(British Council及びDAAD)が活動。
  ・フランスでは新たな留学生支援機関(Edu France)を設立(1998年)。

4 国を越えた留学生交流支援活動
[資料編2-7〜2-8]
  ・欧州のエラスムス計画
  ・アジア太平洋大学交流機構(UMAP)の活動


3.留学生交流施策の現状等

     文部科学省を中心として実施している、各留学生受入れ施策と留学生の種類及び時期(渡日前、日本滞在中、帰国後)の関係は、資料編3−1のとおり。

(1) 国費留学生制度
[資料5・115〜16、24ページ、資料編3-2]
     本制度は、我が国と諸外国との国際文化交流を図り、相互の友好親善を促進するとともに、諸外国の人材養成に資することが目的。具体的には、政府が我が国の大学等への留学を希望する外国人を募集し、選定された者に対して給与(奨学金)を支給するとともに授業料等も負担(国立大学の場合は授業料等を免除)するもの。
  現在では、7種類のプログラム(1研究留学生、2教員研修留学生、3学部留学生、4日本語・日本文化研修留学生、5高等専門学校留学生、6専修学校留学生、7ヤング・リーダーズ・プログラム(YLP)留学生)があり、また、募集方法が基本的に3とおり(1大使館推薦、2大学推薦、3国内採用の3つ)
〔昭和29年度創設、文部科学省本省事業〕
〔なお、出迎え・渡日一時金の支給は(財)日本国際教育協会が、一部の
日本語予備教育は(財)国際学友会、(財)関西国際学友会等も実施〕

(2) 私費留学生等への支援
     既に、私費で日本に留学している留学生を支援する制度の全体像は、資料編3−3のとおり。

1 私費外国人留学生学習奨励費
[資料5・125ページ、資料編3-4〜3-5]
    私費留学生を経済的に支援するための奨学金制度。正規生が対象。
〔昭和53年度創設、当初は(財)日本国際教育協会への補助事業〕
〔平成11年度より文部科学省本省事業〕

2 日本語教育機関就学生学習奨励費
[資料5・133ページ]
    日本語教育機関で学ぶ就学生を経済的に支援するための奨学金制度。
〔平成12年度創設、当初は(財)日本国際教育協会への補助事業〕
〔平成14年度より文部科学省本省事業〕

3 授業料減免学校法人援助
[資料5・125ページ]
    私費留学生に授業料減免措置を講じた私立大学等の学校法人に対し、授業料の3割を限度に助成。正規生が対象
〔昭和63年度創設、当初は(財)日本国際教育協会への補助事業〕
〔平成14年度より文部科学省本省事業〕


(3) 短期留学等(派遣を含む)への支援

1 短期留学推進制度(受入れ・派遣)
[資料5・135ページ、資料編3-7、3-9]
    大学間交流協定等に基づく交換留学生等の交流を支援するための制度。
〔平成7年度創設、当初は(財)日本国際教育協会への補助事業〕
〔平成13年度より日本からUMAPへの拠出金に基づく「UMAP短期留学
推進制度信託基金」から(財)日本国際教育協会への委託事業〕

2 最先端分野学生交流推進制度(受入れ・派遣)
[資料5・138ページ、資料編3-8、3-9]
    社会的要請があり、その推進を図る必要のある最先端分野の先導的人材の養成を目的として、我が国の大学と外国の大学又は研究機関との共同教育研究に参加する大学院レベルの学生交流を支援する制度。
〔平成14年度創設、文部科学省本省事業〕

2アジア諸国等派遣留学生制度(派遣)
[資料5・138ページ、資料編3-9]
    アジア等地域研究専門家の養成を図ることを目的とした派遣制度。
〔昭和43年度創設、文部科学省本省事業〕

4 先導的プログラム留学生プログラム支援制度
[資料編3-10]
    我が国の複数の大学の連合体(コンソーシアム)と外国の複数の大学の  コンソーシアムとの間で行う学生交流を支援する制度。
〔平成15年度創設予定  文部科学省本省事業〕


(4) 留学環境の整備等  

(4-1) 留学生宿舎の整備確保
[資料5・126〜28ページ、資料編3-12]
(概要)
  我が国で学ぶ留学生は、平成14年5月1日現在で95,550人であるが、そのうち公的宿舎への入居留学生数は、25,743人で留学生数全体の26.9%である(公的宿舎への入居数は増加しているが、留学生数の伸びはそれ以上なので、公的宿舎への入居率は低下傾向)。
  外国人留学生にとって、民間宿舎・アパート等への入居には、一般的に厳しい状況あり(高い家賃、敷金・権利金の慣行等による経済的出費の大きさ、保証人の問題、外国人に部屋を貸したがらない家主の消極姿勢など)。
  留学生にとって住居は、日本において充実した留学生活を送るための基礎。留学生の住居確保が円滑に進むよう多様な施策を講じることが必要不可欠。さらに、今後は、留学生と日本人学生等との国際交流の拠点としての役割が期待される。

(手段)
国立大学における留学生宿舎の建設(国立学校特別会計)
公益法人における留学生宿舎の整備運営((財)日本国際教育協会、(財)内外学生センター 等)
留学生宿舎建設奨励事業((財)日本国際教育協会)
指定宿舎確保促進((財)内外学生センター)
留学生住宅総合補償((財)内外学生センター)
民間企業の社員寮への入居促進((財)留学生支援企業協力推進協会)

(4-2) 交流支援事業等
[資料編3-13]
  留学生交流を通じた真の国際相互理解を促進するためには、各地域において官民一体となった留学生受入れ体制を整備し、草の根レベルでの留学生受入れのための活動を推進していく必要があることから、地域の大学を中心に「留学生交流推進会議」を各都道府県毎に設置
  また、増大する留学生の受入れ体制や多様化するニーズへの諸問題について、適切かつ効率的に処理するためには、外国人留学生と頻繁に接し、各種業務の中核となる担当教職員の充実を図る必要があることから、毎年、教職員資質向上のための「留学生交流研究協議会」及び留学生関係事務を担当する初任職員を対象に「留学生担当者研修会」を実施。

(4-3) 留学情報の収集提供等
[資料5・112ページ、資料編3-14]
  海外においてより多くの学生が、日本留学に興味を持ち、また自らの留学目的に合った教育機関を選択して、実りある留学を達成できるようにするためには、我が国の事情や各大学等の教育・研究上の特色等に関する適切な情報を提供することが重要。
  このため、(財)日本国際教育協会では、海外において日本留学説明会(日本留学フェア)を開催するとともに、国内外の留学希望者を対象に、冊子、インターネット等により、とりまとめた我が国の大学や奨学金等に関する情報を提供する他、電話、手紙、E-mail等による留学相談に応じている。
〔(財)日本国際教育協会への補助事業〕

(4-4) 日本留学試験
[資料5・118ページ、資料編3-15]
  我が国の多くの大学の留学生の入学選考においては、留学生はいったん渡日して、各大学の選考試験を受ける必要があることなどから、我が国の大学入学選考のシステムが欧米諸国に比してわかりにくく、留学希望者に過度の負担を強いることにより、日本留学を躊躇させる要因の一つとして指摘されてきた。
  このため、(財)日本国際教育協会では、日本への留学希望者が自国に居ながら入学許可が得られるシステムの構築を目指し、私費外国人留学生統一試験及び日本語能力試験に代わる新たな「日本留学試験」の開発を行い、平成14年度から実施。
〔(財)日本国際教育協会への補助事業〕

(4-5) 帰国留学生へのフォローアップ

[資料5・131ページ、資料5・5、資料編3-16〜3-17]
  我が国の大学等で学業を終えて帰国した留学生が、政治、経済等の様々な分野で、我が国と母国との友好の架け橋として、貴重な存在となっていることを考えると、帰国留学生のフォローアップは極めて重要な意義を有している。このため、(財)日本国際教育協会では、1専門資料の送付、2帰国外国人留学生短期研究制度、3帰国外国人留学生研究指導事業、4帰国外国人留学生データベース事業を実施している。
〔(財)日本国際教育協会への補助事業〕

(5) 新たな学生支援機関の設立について
[資料5・6、資料編3-18]
  現在実施主体(日本育英会、留学生関係公益法人及び国)が別個に複数分かれている日本人学生・留学生支援施策について、機能・資源を再編成し、留学生を含む学生支援業務を統一的視点から総合的、合理的、効率的・効果的に実施できる独立行政法人を設置。
  当該独立行政法人においては、留学生については、奨学金業務や留学生宿舎の整備保有、大学等間学生交流、留学情報の収集・提供、日本留学試験の実施、帰国外国人留学生に対するフォローアップ等の業務を実施する予定。
  平成14年12月にまとめられた報告書を踏まえ、今後具体的な検討及び準備を進め、平成16年4月に設立予定。



資料4−2
中央教育審議会大学分科会
留学生部会(第1回) H14.12.25

留学生交流関係施策の現状等について(資料編)

平成14年12月

1.留学生交流の意義

2.留学生交流推進政策

  (2−1) 当初の「留学生受入れ10万人計画」の概要
  (2−2) 留学生政策に関する各種提言等
  (2−3) 主要国における留学生受入れ人数の推移等
  (2−4) 日本への留学生出身国トップ10における留学先国ベスト10
  (2−5) 主要国の最近の留学生政策
  (2−6) 主要国の留学生支援機関の比較
  (2−7) エラスムス計画
  (2−8) UMAP(アジア太平洋大学交流機構)

3.留学生交流施策の現状等

  (3−1) 各種留学生受入れ施策の位置づけ
  (3−2) 国費外国人留学生制度
  (3−3) 私費留学生に対する施策一覧
  (3−4) 私費外国人留学生学習奨励費給付制度
  (3−5) 私費外国人留学生学習奨励費給付予約制度
  (3−6) 平成13年度私費外国人留学生生活実態調査結果の概要
  (3−7) 短期留学推進制度
  (3−8) 最先端分野学生交流推進制度
  (3−9) 日本人学生等の海外派遣制度
  (3−10) 先導的留学生交流プログラム支援制度
  (3−11) その他の最近の留学生交流プロジェクト等
  (3−12) 留学生宿舎関連施策
  (3−13) 地域交流事業等
  (3−14) 留学情報の収集・提供
  (3−15) 日本留学試験
  (3−16) 帰国外国人留学生のフォローアップ
  (3−17) 元日本留学生に対する調査等について
  (3−18) 新たな学生支援機関の在り方について(概要)
  (3−19) 留学生交流関係の平成15年度予算額案の概要

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