平成14年12月
1.留学生交流の意義
[資料5・3ページ]
○我が国と諸外国相互の教育・研究の国際化・活性化の促進
○国際理解の推進と国際協調の精神の醸成
○開発途上国の場合の人材養成への協力
○国と国との「架け橋」
2.留学生交流推進政策
[資料5・4〜6ページ、資料編2-1〜2-2]
昭和58年6月、中曽根康弘内閣総理大臣(当時)の指示に基づき、「21世紀への留学生政策懇談会」は、留学生政策全般について、21世紀に向けての長期的視野からの検討を行い、昭和58年8月、21世紀初頭において10万人の留学生を受入れるため、留学生政策を総合的に推進するよう内閣総理大臣及び文部大臣に提言。(これを受けて、文部省の留学生問題調査・研究に関する協力者会議が、21世紀初頭における10万人の留学生受入れを目指す長期的計画について検討し、昭和59年6月に、21世紀へ向けての留学生政策の長期的指針を取りまとめた。)
最近では、平成11年3月に文部省(現 文部科学省)の留学生政策懇談会において「知的国際貢献の発展と新たな留学生政策の展開を目指して−ポスト2000年の留学生政策−」が取りまとめられた。本報告では、まず、21世紀の我が国の留学生政策を「知的国際貢献」として位置付け、諸外国に人材育成に寄与するとともに、我が国にとっても安全保障と平和の維持、国際的な知的影響力の強化などの面で重要な意義があることを明確にした。第二に、「留学生受入れ10万人計画」を今後とも維持し、その達成に向けた一層の取組みを求めた。第三に、量的な面もさることながら一人一人を大事にする質的充実を一層重視することが必要であり、質的充実を図ることによって、これが量的拡大につながっていく事を提言している。そして、今後の施策の重点として、大学の質的充実のための構造改革の推進、世界に開かれた留学生制度の構築、官民一体となった留学生支援の充実を図ることの三つの柱を掲げ、多くの具体的な施策を示している。
[資料5・]
欧米主要国等の留学生数等
[資料5・4ページ、資料編2-3〜2-4]
欧米主要国等の留学生数の推移
[資料編2-3]
・米国、イギリス、ドイツ、オーストラリアが着実な増加傾向
日本への留学生出身国TOP10における留学先国
[資料編2-4]
欧米主要国等の留学生政策・推進体制等
[資料編2-5〜2-6]
・イギリス、ドイツでは従来から留学生支援機関(British Council及びDAAD)が活動。
・フランスでは新たな留学生支援機関(Edu France)を設立(1998年)。
国を越えた留学生交流支援活動
[資料編2-7〜2-8]
・欧州のエラスムス計画
・アジア太平洋大学交流機構(UMAP)の活動
3.留学生交流施策の現状等
[資料5・15〜16、24ページ、資料編3-2]
〔昭和29年度創設、文部科学省本省事業〕
〔なお、出迎え・渡日一時金の支給は(財)日本国際教育協会が、一部の
日本語予備教育は(財)国際学友会、(財)関西国際学友会等も実施〕
私費外国人留学生学習奨励費
[資料5・25ページ、資料編3-4〜3-5]
私費留学生を経済的に支援するための奨学金制度。正規生が対象。
〔昭和53年度創設、当初は(財)日本国際教育協会への補助事業〕
〔平成11年度より文部科学省本省事業〕
日本語教育機関就学生学習奨励費
[資料5・33ページ]
日本語教育機関で学ぶ就学生を経済的に支援するための奨学金制度。
〔平成12年度創設、当初は(財)日本国際教育協会への補助事業〕
〔平成14年度より文部科学省本省事業〕
授業料減免学校法人援助
[資料5・25ページ]
〔昭和63年度創設、当初は(財)日本国際教育協会への補助事業〕
〔平成14年度より文部科学省本省事業〕
短期留学推進制度(受入れ・派遣)
[資料5・35ページ、資料編3-7、3-9]
大学間交流協定等に基づく交換留学生等の交流を支援するための制度。
〔平成7年度創設、当初は(財)日本国際教育協会への補助事業〕
〔平成13年度より日本からUMAPへの拠出金に基づく「UMAP短期留学
推進制度信託基金」から(財)日本国際教育協会への委託事業〕
最先端分野学生交流推進制度(受入れ・派遣)
[資料5・38ページ、資料編3-8、3-9]
〔平成14年度創設、文部科学省本省事業〕
アジア諸国等派遣留学生制度(派遣)
[資料5・38ページ、資料編3-9]
アジア等地域研究専門家の養成を図ることを目的とした派遣制度。
〔昭和43年度創設、文部科学省本省事業〕
先導的プログラム留学生プログラム支援制度
[資料編3-10]
〔平成15年度創設予定 文部科学省本省事業〕
[資料5・26〜28ページ、資料編3-12]
(概要)
我が国で学ぶ留学生は、平成14年5月1日現在で95,550人であるが、そのうち公的宿舎への入居留学生数は、25,743人で留学生数全体の26.9%である(公的宿舎への入居数は増加しているが、留学生数の伸びはそれ以上なので、公的宿舎への入居率は低下傾向)。
外国人留学生にとって、民間宿舎・アパート等への入居には、一般的に厳しい状況あり(高い家賃、敷金・権利金の慣行等による経済的出費の大きさ、保証人の問題、外国人に部屋を貸したがらない家主の消極姿勢など)。
留学生にとって住居は、日本において充実した留学生活を送るための基礎。留学生の住居確保が円滑に進むよう多様な施策を講じることが必要不可欠。さらに、今後は、留学生と日本人学生等との国際交流の拠点としての役割が期待される。
(手段)
[資料編3-13]
留学生交流を通じた真の国際相互理解を促進するためには、各地域において官民一体となった留学生受入れ体制を整備し、草の根レベルでの留学生受入れのための活動を推進していく必要があることから、地域の大学を中心に「留学生交流推進会議」を各都道府県毎に設置。
また、増大する留学生の受入れ体制や多様化するニーズへの諸問題について、適切かつ効率的に処理するためには、外国人留学生と頻繁に接し、各種業務の中核となる担当教職員の充実を図る必要があることから、毎年、教職員資質向上のための「留学生交流研究協議会」及び留学生関係事務を担当する初任職員を対象に「留学生担当者研修会」を実施。
[資料5・12ページ、資料編3-14]
海外においてより多くの学生が、日本留学に興味を持ち、また自らの留学目的に合った教育機関を選択して、実りある留学を達成できるようにするためには、我が国の事情や各大学等の教育・研究上の特色等に関する適切な情報を提供することが重要。
このため、(財)日本国際教育協会では、海外において日本留学説明会(日本留学フェア)を開催するとともに、国内外の留学希望者を対象に、冊子、インターネット等により、とりまとめた我が国の大学や奨学金等に関する情報を提供する他、電話、手紙、E-mail等による留学相談に応じている。
〔(財)日本国際教育協会への補助事業〕
[資料5・18ページ、資料編3-15]
我が国の多くの大学の留学生の入学選考においては、留学生はいったん渡日して、各大学の選考試験を受ける必要があることなどから、我が国の大学入学選考のシステムが欧米諸国に比してわかりにくく、留学希望者に過度の負担を強いることにより、日本留学を躊躇させる要因の一つとして指摘されてきた。
このため、(財)日本国際教育協会では、日本への留学希望者が自国に居ながら入学許可が得られるシステムの構築を目指し、私費外国人留学生統一試験及び日本語能力試験に代わる新たな「日本留学試験」の開発を行い、平成14年度から実施。
〔(財)日本国際教育協会への補助事業〕
[資料5・31ページ、資料5・、資料編3-16〜3-17]
我が国の大学等で学業を終えて帰国した留学生が、政治、経済等の様々な分野で、我が国と母国との友好の架け橋として、貴重な存在となっていることを考えると、帰国留学生のフォローアップは極めて重要な意義を有している。このため、(財)日本国際教育協会では、専門資料の送付、帰国外国人留学生短期研究制度、帰国外国人留学生研究指導事業、帰国外国人留学生データベース事業を実施している。
〔(財)日本国際教育協会への補助事業〕
[資料5・、資料編3-18]
現在実施主体(日本育英会、留学生関係公益法人及び国)が別個に複数分かれている日本人学生・留学生支援施策について、機能・資源を再編成し、留学生を含む学生支援業務を統一的視点から総合的、合理的、効率的・効果的に実施できる独立行政法人を設置。
当該独立行政法人においては、留学生については、奨学金業務や留学生宿舎の整備保有、大学等間学生交流、留学情報の収集・提供、日本留学試験の実施、帰国外国人留学生に対するフォローアップ等の業務を実施する予定。
平成14年12月にまとめられた報告書を踏まえ、今後具体的な検討及び準備を進め、平成16年4月に設立予定。
平成14年12月 1.留学生交流の意義 2.留学生交流推進政策
3.留学生交流施策の現状等
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