広島は4日、今季の4位以下が確定したことでクライマックスシリーズ(CS)進出の可能性が消滅し、マーティー・ブラウン監督(46)の今季限りでの退任が決定した。球団は来季の新監督としてカープOBの野村謙二郎氏(43)=現野球評論家=に一本化しており、シーズン終了後に就任を要請する。野村氏が受諾するのは確実で、青年監督のもと、来季は13年ぶりのAクラスを目指すことになる。
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強いカープの復活へ、球団はいよいよ“切り札”を投入する。生え抜きのOBである野村氏への就任要請は、シーズン終了後となるが、12年連続Bクラスという低迷脱却へかかる期待は大きい。
野村氏は05年に現役を引退。新球場元年の新監督が既定路線だったが、昨年、ブラウン政権はCS進出を逃したものの、借金1と“結果”を残したこともあり、球団は期待と“温情”を込め、契約を延長。今季のAクラス入りを続投条件としていたが、この日、4位以下が確定したことで、新たな動きに入ることになった。
球団はカープ黄金時代の復活へ、守り勝ち、そして、ソツのないつなぎの野球で、勝ち星を重ねられる人材を探していた。野村氏は89年に入団後、91年のカープ最後の優勝を経験しており、黄金時代の“強い赤ヘル”を知る1人だ。05年まで俊足巧打の内野手としてカープ一筋に17年間プレーし、95年には3割30本30盗塁のトリプルスリーを達成。05年には2000本安打を放つなど、常に主力としてチームを引っ張ってきた。実績はもちろん、チームリーダーとして人望もあり、ファンの人気も高い。広島県内外からも野村氏新監督待望論が挙がっていることもリサーチ済みで、新監督にうってつけの存在と言える。
今季は評論家としてマツダスタジアムにも度々、訪れており、現在のチームを熟知していることも強みだ。長期低迷しているとはいえ、投手陣は大竹以下、前田健や斉藤、今井ら若くてイキのいい選手が数多くいる。今季は貧打に泣いた野手陣も4番の栗原を筆頭に、素質の高いメンバーは多い。現役時代は練習の虫として知られた野村氏が伝統の猛練習で鍛え上げれば、チームは大きく変わる可能性を秘めている。
チーム愛にあふれている野村氏も現場復帰に支障はなく、要請を受ければ受諾する可能性は高い。悲願のクライマックスシリーズ進出へ、現役時代は「レッド7」の愛称で親しまれた新監督が、新たな風を起こす。