2009年10月5日 19時18分更新
高速道路料金の値下げに対抗するため、岡山県などのフェリー会社では料金を値下げして利用回復を図る動きが出ていますが、値下げ後も経営が厳しい状態が続いており、フェリー業界では今週中にも国土交通省に対し支援を要請することにしています。
このうち、宇野港と高松港との間でフェリーを運航する国道フェリーと四国フェリーは、瀬戸大橋の利用料金の値下げを受けて、先月から土曜、日曜、祝日、それに年末年始に限って、普通車や軽自動車を使ってフェリーを利用した場合、料金を割り引いたうえで玉野市の地域商品券をプレゼントする取り組みを始めています。
これによって実質的な料金は普通車、軽自動車ともに980円となり、先月の利用客はことし4月から8月までの平均と比べると、20%程度増えたということです。
しかし、ETCを使った高速道路の割り引きが実施される前の去年の同じ月と比べた場合、利用客は30%以上減っているということです。
四国フェリーの担当者は、「高速道路の無料化前の今でも経営は非常に厳しく、国はフェリー業界を支援して欲しい」と話しています。
国土交通省によりますと、ことし3月に高速料金値下げが始まって以降、フェリーなどを運航していた全国の4つの会社や組合が航路の廃止や休止に追い込まれており、いずれも瀬戸内海の航路だということです。
こうしたことから日本旅客船協会や日本長距離フェリー協会は、今週中にも前原国土交通大臣に対して、高速道路の無料化反対とともに、フェリー業界への支援を要望することにしています。