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中川財務相、IMFへの出資倍増提案 金融サミット開幕

2008年11月15日13時46分

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 【ワシントン=松村愛】世界的な金融危機への対策を話し合う金融サミット(G20)が14日夜(日本時間15日朝)、米ワシントンで開幕した。サミット出席のため訪米中の中川財務・金融相は、危機に対応するため、国際金融機関の機能強化策を表明した。国際通貨基金(IMF)については、各国が出している出資総額の倍増を提案。世界銀行とは途上国の銀行を資本支援するための基金の設立で合意した。

 中川氏はワシントンでIMFのストロスカーン専務理事と会談し、IMFへの出資総額の倍増を提案した。IMFにはアイスランドやウクライナ、パキスタンなど危機に直面した新興国から支援要請が相次いでおり、融資枠が不足するおそれがあるため。金融サミットでも麻生首相が打ち出す。

 中川氏は会談で「今はIMFの役割が重要だ」と強調。「(全体の)出資を例えば2倍にすることを提案したい」と語り、IMFへの出資総額を現在の3200億ドル(約32兆円)から大幅に増やすべきだとの考えを示した。現在の出資比率は米国の17%を筆頭に6%の日本などが続く。

 増資が実現するまでの措置として、中川氏は10月の主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で自ら提案した新興・中小国向け緊急融資枠の拡充について、日本が外貨準備から最大1千億ドル(約10兆円)をIMFに融資する用意があると正式に伝えた。ストロスカーン氏は「日本の提案を歓迎する」とのコメントを発表した。

 中川氏は世界銀行のゼーリック総裁とも会談。金融危機の影響を受けた途上国の銀行を資本支援するため、30億ドル(約3千億円)規模の新基金「途上国銀行資本増強ファンド(仮称)」を世銀と共同で創設することで合意した。世銀グループで途上国の民間企業を支援している国際金融公社(IFC)が10億ドル、日本の政府系金融機関である日本政策金融公庫の国際部門、国際協力銀行(JBIC)が20億ドルを出融資する。途上国政府の支援が及ばない銀行に予防的に資本注入して経営破綻(はたん)を防ぐ。

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