中川昭一  Shoichi Nakagawa

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2007.09.25

自民党総裁選が終わって(9月24日)

9月23日、福田康夫さんが新総裁に選ばれた。この選挙戦を私の立場から振り返ってみます。

1) 参議院選挙の敗北の結果、両院の「ねじれ」により、法案の審議、成立が難しい状況になった。そして安倍総理の体調不良による退陣表明があった。
大きな志を持つ安倍さんにとり、どんなに無念であったことか。責任は誰よりも御自身が痛感されていると思う。
一日も早く、体力、気力を回復・充実させて、再び重要な仕事を遂行していただきたい。


2) 新総裁選出作業が始まった。この間の政治空白による国民や他党への迷惑については、私も申し訳ないと思っている。数人の出馬が予想されたが、永田町では早速、様々な噂が飛び交った。一番腹立たしいものは、安倍さんが一番信頼していた人々が安倍さんを裏切ったというもの。私の知っている限り、そんなことは決してない(その後、本人もそのことを明言している)


3) 紆余曲折の後、福田さんと麻生さんが立候補した。マスコミは「8対1の派閥の戦い」「国会議員300人対16人の戦い」、「勝負は最初から大差で決まっている」。あたかもやっても無駄という論調だ。
仮に選挙がなかったら、党内議論なし。その時の批判報道も容易に予想できた。


4) 私が麻生さんを支持した理由は、①政治に対する基本的考えが近いこと。
②元々、旧産炭地の企業と病院の経営者で、地方の経済や人々の生活の実情をよく知っていること。③率直に(時々、少々荒っぽく)国民に   「話す」→国民の心に「放つ」こと。④「おまけ」は私より13歳年上だが、元気のいいスポーツマンで、声のでかい、信念を持った楽観主義者だから。


5) 地元にいた私に、電話が来た。「オレの推薦人になってくれ」「麻生さんを支持することは、既にテレビでも公言していますよ」「いいからやってくれ」「分かりました。『毒食らわば、皿までも』ですね」「何だ、それは?」


6) 渋谷での両人の街頭演説を見に行った。
日曜の歩行者天国のハチ公前。恐ろしい程の人、人、人・・・・・。通行人にはさぞ迷惑だったと思う。猛暑の中で立つ聴衆の多くは、演説がよく聞こえない。しかし、拍手の強弱はよく分かった筈だ。


7) 毎日たくさんのメール等を頂いた。殆どが「麻生、よく出馬した」「このままでは日本が心配だ」。「もう自民党は支持しない」等の批判も多かった。
リアルタイムで自分の考えを率直に伝える、国民のネットの力が、日々強くなっていることを実感した。
無関心=新聞、テレビのニュースを鵜呑みにしないネット人。ではないことも痛感した。


8) 22日午後の新宿東口での麻生街頭演説には度肝を抜かれた。麻生さんの本、チョイワルオヤジ下敷き、タレ幕、日の丸、そして無数の携帯の写真撮影。
34度の猛暑の中、何時間立っていたのだろう。年配の方、赤ちゃんを抱いた家族、未成年と思われる若者達も。翌日のスポーツ紙には2万人とあった。黒山ならぬ白山の人だかり。
私は興奮して演説した。(内容は私のホームページを見てください)
麻生さんが去った後も、私は30分位聴衆と接したが、それもほんのごく一部。
終わったあと、汗でびしょびしょの服の洗濯代を麻生さんに請求しようというセコイ考えが頭に浮かんだ(もちろん、請求していません)


9)夜、北海道の党員アンケートは、麻生支持40%、福田支持20%、その他40%という情報が入った。
何人かの親しい議員に電話した。「心配するな」「信念を通す」。「ノー」という返事は一人もいなかったので。「惨敗はないな」と少しボッとして考え、寝た。しかし、新宿の興奮と麻生さんのダミ声が頭から離れず、なかなか寝付けない。


10)23日、いよいよ投票日。昼ごろ選挙事務所に初めて行って出陣式。突然指名されて、場違いな堅苦しい話をしてしまったが、候補者はじめ、皆明るく、笑い声が絶えない。これが負け戦の出陣式か?
今の政治、日本は元気と明るさを取り戻すことが必要だ。「どうやって?」


11)党本部で、投票、開票。結果はご存知の通り。但し、党員投票を行った30都道府県では、麻生23万余票、福田21万6千余票だったことは余り報道されていない。
負けは残念至極だが、密かな予想よりはるかに多い得票。「バランスを取った」とか「同情」とか言う人もいるが、信念に基づく一票の積み重ねの結果だ。


12)夕方、選挙事務所で打ち上げ。鳩山邦夫さん、島村宣伸さんがユーモアあふれるあいさつをされて又もや会場が盛り上がったので、私もついつい「こんな口の悪い人と一緒に戦ったのは初めて。自分もうつりそうで困る。しかし、国民の手ごたえは充分感じた」と言った。
麻生さんの御礼も相変わらず好調(但し、前後の礼はいつもきちっとしている)


13)戦いは終わった。しかし、選挙が行われ、明るく戦った。両者の主張の違いがはっきりした。そして予想を超える反応と結果が出た。
そういえば、投票時、党本部の道路の反対側にいる麻生支持の国民に、私は背広を振り回して挨拶したら、熱狂に手を振ってくれたのもうれしかった。多分、遠くからでは私が誰かわからなかったと思うが。
麻生さんと私を激励してくれた方々に、心から感謝申し上げます。

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