2009年10月5日8時30分
国内の冷蔵庫市場がいっそう大型化している。今年7〜8月は、401リットル以上の大型冷蔵庫の国内販売に占める割合が初めて5割を超えた模様だ。食材のまとめ買いが広がったことなどが背景だが、価格下落を防ぎたいメーカー側の思惑もある。
東芝ホームアプライアンスが10月下旬から発売する新しい冷蔵庫は、もっとも大きなもので548リットル。買い替えが想定されている12年前の機種に比べて、幅や高さ、奥行きはほぼ変わらずに、103リットル容量を大きくした。山下文男社長は「冷蔵庫の機能で、消費者は大容量への要望が大きい。600リットル台も検討する」という。
三菱電機は、容量645リットルと国内最大の冷蔵庫「光ビッグMR―Z65R」を12月に発売する。冷蔵室だけで421リットルあり、冷凍室には100袋超の冷凍食品が入る。
パナソニックや日立アプライアンスが今秋に発表した新型冷蔵庫は、容量がすべて450リットル超。シャープは今後1年間で、401リットル以上の大型冷蔵庫の販売台数を1.5倍にする計画だ。
大型化の背景には、不況による「内食回帰」や、容量に応じてポイントがつくエコポイント制度の導入もある。メーカーにとっても、大型化や、省エネや鮮度を保つ仕掛けで高機能化を進め、価格下落を食い止める狙いがある。
調査会社Gfkジャパンによると今年7〜8月は、401リットル以上の販売が5割超。冷蔵庫全体の平均単価は9万6千円で、2年前より1万7千円(2割強)上がった。日本電機工業会によると、4〜8月の冷蔵庫出荷は、台数では前年同期比0.5%減だが、金額では同6.8%増。Gfkの纐纈(こうけつ)潤子マネジャーは「冷蔵庫は大型化・高機能化で単価アップができる数少ない商品。しばらくこの流れは続きそうだ」という。(海東英雄)
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