きょうのコラム「時鐘」 2009年10月5日

 B級グルメ花盛りである。高岡の「グルメ博」も、大いににぎわった。が、そもそも、B級とは何だろう

手軽で値段の張らぬ品、というイメージがある。もっとも、食事代より高い交通費を出しても食べたいメニューもある。こうなると、ごちそうの部類に入るだろう。高級牛で知られる伊勢・松阪で、ホルモン焼きを食べたことがある。あごを上下させながら、これもA級のお相伴か、それともB級かと、首をかしげた

B級映画というのもある。低予算で短期間に制作し、以前は2本立て上映の添え物に似た扱いだった。富山も舞台になった「釣りバカ日誌」も、最初は人気シリーズ「男はつらいよ」の脇役として作られた。が、「寅さんよりも面白い」と評判になり、立派にA級昇格を果たした

ドジョウのかば焼きもイワシのつみれ汁も、かつては当地の代表的なB級グルメだった。いま、そう呼ぶことは、まことに恐れ多い。食に対するこだわりや情熱が、ごちそうの度合いを引き上げた好例であろう

B級グルメ、侮(あなど)るべからず。やがてAにも超Aにも大きく化ける楽しみも味わうことができる。