中日新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 経済 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【経済】

トヨタ向けリチウム採掘 豊田通商がアルゼンチンで

2009年10月2日 朝刊

写真

 トヨタ自動車グループの豊田通商(名古屋市)は、自動車用次世代電池の原料確保に向け、南米アルゼンチンでのリチウム採掘事業に参入する方針を明らかにした。海外資本の探鉱会社などと合弁会社を設立し、2011年以降の採掘開始を目指す。自動車メーカーによるレアメタル(希少金属)の獲得競争は世界各地で激化しており、トヨタは今後主力となる「リチウムイオン電池」の量産に向け、グループを通じた自前での資源確保に乗り出す。

 豊田通商がリチウムの採掘に参入するのは初。現在、アルゼンチン北西部のサルタ州プーナ地域にある3カ所の塩湖でリチウム濃度などの調査を進めている。年間採掘量は約2万トンと見込み、トヨタが15〜20年に必要とするリチウム量である「年間1万トン程度」(トヨタ幹部)を上回る見通し。トヨタ以外への供給も検討する。

 トヨタは「プリウス」など現行ハイブリッド車に「ニッケル水素電池」を搭載。リチウムイオン電池はニッケル水素の約3倍の出力があり、車両搭載時の大きさや重さを抑えられるため、次世代エコカーの動力源として各メーカーが開発や導入を急いでいる。

 トヨタのリチウムイオン電池搭載のハイブリッド車は、家庭用電源で充電でき、年末からリース販売を始める「プラグイン・ハイブリッド車」を皮切りに11年に発売予定のミニバンから量産化。その後、搭載車種を順次拡大していく計画だ。

 リチウムイオン電池はトヨタ貞宝工場(愛知県豊田市)で既に生産しているが、トヨタはハイブリッド車のほか、開発中の電気自動車など、将来の需要増に備え三洋電機からの調達も検討している。

 【リチウムイオン電池】レアメタル(希少金属)のリチウムを電極に使う電池。ニッケル水素電池などに比べてエネルギー密度が格段に高く、容量が大きい。既に携帯電話やパソコン向けで普及しており、今後はハイブリッド車や電気自動車向けの需要急増が見込まれている。

 

この記事を印刷する

広告
中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ