ダイバーからサンゴ守れ…沖縄・慶良間で「半減」規制
10月5日3時2分配信 読売新聞
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彩り豊かなサンゴ礁が多くのダイバーをひきつける=板山康成撮影 |
オニヒトデの食害などで激減したサンゴ礁を、ダイバーが傷つける被害が後を絶たないためで、エコツーリズム推進法に基づく全国初の規制となる。両村はダイバーの数を現状の半数に制限する「総量規制」を行い、水深30メートルより浅い海でのダイビングには、村の承認が必要となる。環境省など4省が近く、両村の計画を承認する。
昨年施行のエコツーリズム推進法は、自然環境の保護と、観光振興の両立がねらい。地元市町村が協議会を設け、保護する動植物や、その生息域を「特定自然観光資源」に指定して、立ち入り制限や保護策を含む計画を作り、国の承認を受けて規制を実施する。
慶良間諸島では、1980年代にダイバーが急増。誤ってサンゴ礁を傷つけたり、ダイビング船からの汚水排出が日常化し、90年代以降は、サンゴを食い荒らすオニヒトデの大量発生や海水温の上昇による白化現象で大きな被害が出た。
人口計1800人の両村を訪れる観光客は年々増加、ここ数年は毎年20万人を超え、サンゴへの悪影響が懸念されたため、利用ルール作りが急がれていた。
現状の半数を基準に立ち入り制限が行われた場合、例えば9月には渡嘉敷村全体でダイバーは1日上限550人、座間味村は700人に限定される。ダイビングの許可(立ち入り承認)は、個々のダイバーにではなく、ダイビングガイドなどの事業者に出される。過去にオニヒトデの駆除に協力したなどの保全活動の実績を参考に、村長がダイバーの人数枠を割り当てる。違反者には、30万円以下の罰金が科される。
約60のダイビング事業者で作る慶良間海域保全連合会の垣花薫会長は「悪質な事業者が追いやられ、お客さんも楽しめ、生態系も守っていける」と話している。
◆慶良間諸島=那覇市の西方20〜40キロ・メートルにある渡嘉敷、座間味、阿嘉島など約30の島々からなり、周辺海域に生息するサンゴは約250種類に達する。密度の高さは、世界でもトップクラス。サンゴ礁のある場所の一部は05年、水鳥などの生息地を守るためのラムサール条約登録地になった。
最終更新:10月5日3時2分
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