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議員立法禁止に反発 民主、着地点見えず '09/10/4

 民主党が打ち出した議員立法禁止方針に党内外から「憲法違反」などと反発が広がっている。政策決定を政府に一元化し“族議員”の出現を防ぐ狙いだが、着地点は見えていない。

 発端は小沢一郎幹事長名で党所属議員に出された9月18日付の通知。党政策調査会の機能を政府に移行し、一般行政に関する与党の法案提出は原則禁止とした。例外は「すぐれて政治的な問題」で公選法や政治資金規正法、国会法の改正などに限られる見通しだ。

 新方針では、法案提出を希望する議員は各省庁に新設される「政策会議」の議論に加わり、政府提出法案の決定に参画する形となる。

 これに対し党内から「立法府の役割制限は憲法に反する」と批判が噴出。連立を組む社民党の福島瑞穂党首も「国会は唯一の立法機関。議員立法禁止はおかしい」とかみついた。

 関係省庁が抵抗し政治決断が求められる重要な課題を議員立法で打開したケースは少なくない。最近では、7月に成立した水俣病救済特別措置法が象徴的。民主党の山岡賢次国対委員長は「議員立法は国対が精査し、必要なものは政府に連絡する」という方向で、落としどころを探っている。

 しかし小沢氏は「議会制民主主義は多数党が政権を構成するから政府と一体で、国会は主として野党の場だ」と譲る気配はない。

 野党時代の民主党の議員立法に携わった五十嵐敬喜法政大教授(立法学)は「民主党は議員立法の量産を通して政権担当能力を高めた。制限には反対だ。政府に入らない300人以上の民主党議員は何をすればいいのか」と批判している。




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