中川氏急死:「勉強される人だった」と霞が関から惜しむ声

2009年10月4日 20時29分

 財務・金融担当、農水、経済産業相を歴任した中川昭一氏の突然の訃報(ふほう)に、霞が関の省庁関係者からは「一生懸命に仕事をされる方だったのに」(経産省OB)と惜しむ声が上がった。

 ある財務省幹部は「本当によく勉強される方だった」。個人事務所に政策資料が分厚いファイルで整理されていたといい「土曜、日曜を問わず、疑問点があると電話で質問を受けた」と振り返る。

 中川氏は今年2月、ローマで開かれた先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)後のろれつの回らない「もうろう会見」で批判を受け辞任。「びっくりした。あの映像が繰り返し流れては、辞任せざるをえなかった」(財務省幹部)。イスタンブールで開かれたG7に出席していた藤井裕久財務相は4日、「最後まで立派に仕事をやられたと思う。大変残念だ」と述べた。

 中川氏は98~99年と05~06年の2度、農相を務め、旧農業基本法に代わる食料・農業・農村基本法の制定(99年)などに尽力。農水省幹部は「基本法の国会審議では答弁資料に詳細な書き込みをし、自分の言葉で答弁していたことが印象的だった。頼もしい大臣だった」と振り返った。また、井出道雄事務次官は4日「突然の死去に強い衝撃を受けている。農林水産業への愛情と高い見識、指導力を持ち合わせた尊敬すべき政治家だった。痛恨の極みだ」とするコメントを出した。【行友弥、古田信二】

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