日本には悪しき慣行の「記者クラブ」制度があり、そこに所属していないと政府や公的機関の記者会見などの取材ができない。
しかし、記者は何も大企業の記者だけではなく、小さな組織や個人のフリージャーナリストもいるが、彼らは出入り禁止である。これは特権であり、また差別でもある。また「与えられる情報」は本来の取材活動ではなく、当然、権力に都合の悪い情報は出さず、それは検察庁でさえ裁判で「証拠隠し」をする。
しかし、ジャーナリストの「使命」は言うまでもなく「権力の監視」であり、記者クラブ制度はこの面からも問題がある。
外国ではこの様な例は無いという、日本でも鎌倉市が96年4月から記者クラブに変わる新たな広報体制として『広報メディアセンター』を開設している。
この度、鳩山政権の「原則として、すべてのメディアに解放する」との公約を受け、JVJA(日本ビジュアル・ジャーナリスト協会)が9月27日付で下記の「要望書」を内閣総理大臣初め、全省の各大臣と最高裁判所長官に送付した。
知る権利は全ての市民にあり、早急にこの開かれた政府・情報の実現を望む。
以下、「要望書」
『記者会見の開放を求める要望書』
私たち日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(略称JVJA)は、2002年の設立以来、「国民、市民の知る権利」に基づき、この国民、市民の期待に応える報道を旨とする取材と表現、発表活動を行ってきました。テレビ、新聞などマスメディアを発表の場とし、また、写真集、書籍、DVDの出版だけでなく、写真展、映画上映、講演会なども、その貴重な発表の場として報道を続けてきました。
さて、去る9月16日、「首相官邸における記者会見の開放」を掲げる鳩山由紀夫政権が発足しました。私たちは、その「公約」を、人々の知る権利にかんがみ、高く評価します。また、岡田克也外務大臣も 「原則として、すべてのメディアに開放する」と記者発表しております。海外取材の豊富な私たちJVJA会員の諸外国での経験から、日本の政府、裁判所、各種行政機関の閉鎖性に憂慮してきました。海外にお いては、私たち、フリーランスのジャーナリストは、「記者クラブに入っていない」ことをもって記者会見から排除されたことはありませんし、また、当該政府や国際機関の発行する記者証の発給を当然のこととして受けてきました。日本が、今回の政権交代によって諸外国並み、国際標準に近づく一歩と大きな期待を寄せています。
そこで、日本の民主主義の根幹の一つであり、日本国憲法にも保証された国民、市民の知る権利に、国が率先して応えるべく、首相官邸、外務省はもとより、全ての行政、司法、立法、及び地方自治体等の全ての政府、公共機関の記者会見などの全面的な開放と国民、市民に開かれた透明性のある施策を早急に実行するよう要望します。
2009年9月27日
日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)
共同代表 豊田直巳/ 山本宗補/ 佐藤文則
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『記者クラブ廃止』元鎌倉市長・竹内謙氏インタビュー
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「JVJA(日本ビジュアル・ジャーナリスト協会)」