突然古いゲームの話になるが、
今日はSFCで発売されたRPGであるLIVE A LIVEの
中世編について少々。
以下激しくネタバレ。
今日はSFCで発売されたRPGであるLIVE A LIVEの
中世編について少々。
以下激しくネタバレ。
中世編といえばやはりその怒涛の展開、どんでん返し、
ゲーム史上もっとも不幸な主人公とまで言われるオルステッド、
そしてその元凶となったストレイボウ、アリシア。
特にアリシアはスクウェア三大悪女とまで言われる有名人?ですよ。
でもですよ。アリシアってそんな悪人か? と思うわけですよ。
そりゃオルステッドが"ああ"なるトドメをさしたのは彼女だし、
そこで自殺するの!? とも思うし、
「悪くない」とはまったく思わないが、
ネット界隈では場合によっては
ストレイボウよりも悪いと言われていることすらあるのが
ちょいと違和感を覚えましてね。
アリシア擁護的な話になるけど、まあ、
今更アリシアふざけんな的な記事を書いても面白くないしね。
そもそもアリシアがなぜ悪女と呼ばれるのかは、
以下のような論理展開からだろう。
・アリシアはストレイボウに心変わりした。
↓
・普通の人間ならストレイボウがオルステッドの影で苦しんでいた話を
聞いただけで心変わりするはずがない。
↓
・よってアリシアは悪女だ。
しかしこれは以下のように考えることもできる。
・アリシアはストレイボウに心変わりした。
↓
・普通の人間ならストレイボウがオルステッドの影で苦しんでいた話を
聞いただけで心変わりするはずがない。
↓
・よってアリシアはそれ以外の話も
ストレイボウから吹き込まれていたはずだ。
この場合、アリシアのことを悪女とまでは呼べないはず。
単にプレイヤーはアリシアとストレイボウの間に何があったかを
ほとんど知ることができないため、
唯一知りえる情報である「ストレイボウがオルステッドの影で苦しんでいた話を聞いた」
の一点のみでアリシアの行動を判断してしまうから
悪女という結論にたどり着くだけなのだ。
ストレイボウがアリシアに何かを吹き込むことによって
オルステッドへの信頼を揺らがせることは、
やったかどうかはともかく、
可能か不可能かで言えば十分に可能だったはず。
なにしろ、アリシアは中世編で起こったほぼすべての出来事を
ストレイボウからの伝聞でしか知ることができなかった。
さらに、ストレイボウはアリシアにとって命の恩人であるため、
アリシアはストレイボウの言うことは基本的に信じるはずだ。
つまりアリシアはストレイボウにとって都合のいい情報しか与えられない状況にあり、
しかもその情報を信じるほかない状況でもあった、ということ。
こんな状況ならストレイボウがアリシアを"洗脳"するのは容易く、
オルステッドに対する好感度をがた落ちさせることも可能だったはずだ。
例として、ストレイボウとアリシアの間で起こりうる会話について考えてみる。
ストレイボウがオルステッドを出し抜いて
アリシアの元に一人でたどり着いたとき、
恐らくアリシアはストレイボウに対して、
「オルステッドはどうしたのか?」という質問をしたはずだ。
このころはまだアリシアがオルステッドが助けに来ると信じていたころだし、
(この頃の)アリシアにとって最悪の事態である
「オルステッドが魔王との戦いで戦死した」なんてことも考えられる。
オルステッドがいないことをスルーするとは思えない。
しかし、ストレイボウはこの質問に対して
「オルステッドと一緒に助けに来たけど、
魔法であいつを出し抜いて自分ひとりでここまで来ました」
なんて馬鹿正直に答えることはできない。
従って、ストレイボウは
「オルステッドがこの場にいないことに対する嘘の理由」
をアリシアに説明したはずだ。
しかし、オルステッドを憎んでいるストレイボウが
「オルステッドがここにいなくても仕方がないと思える理由」を話すはずがない。
むしろ
「オルステッドの株を大きく下げるような理由」を
適当にでっち上げて話した可能性の方が高い。
例えば
「オルステッドは王の警護を優先していて、
あなたを助けに来る気はないようです」
のような。とにかく、
「私はオルステッドを信じていたのに、
オルステッドはその信頼を裏切るような行動をした」
とアリシアに思わせればよいのだ。
先ほども書いたが、アリシアは命の恩人であるストレイボウが
嘘をついているなんて夢にも思わないだろうし、
実際、オルステッドは中世編ラストまで
アリシアを助けに来ないのだ。
その"事実"を突きつけられてしまっては、
アリシアはストレイボウの言うことを信じるほかない。
そうしてオルステッドの株を徹底的に下げた後、
今度はストレイボウがオルステッドにどれだけ苦しめられていたか、
をアリシアに話し出す。
ストレイボウは事実をそのまま淡々と話したのかもしれないし、
事実に尾ひれ背ひれをつけて脚色して話したのかもしれない。
しかしどちらにしろ、これによって
アリシアのオルステッドに対する株はさらに下がり、
ストレイボウの株は急上昇する。
とまあ、アリシアがストレイボウに心変わりした理由としては、
・悪女だから
・ストレイボウに情報統制され"洗脳"されていたから
と、どちらでも説明はつけられる。
なので一方的に悪女呼ばわりするのはどうかと思うし、
少なくともストレイボウより悪いなんてことはないだろう。
どう考えても中世編一番の悪はストレイボウだ。
ただ、上記の説に対して
「アリシアは魔王山の頂上で
ストレイボウが真相を暴露したシーンでの話を聞いているはずだ。
つまりアリシアは事の真相を全て知った上でストレイボウを選んだのだから
情報統制されていたなんてことはありえない」という意見もあるかと思う。
しかし自分はそうは思わない。
もしそうだとしたら、ストレイボウは救いようのない大マヌケになるし、
アリシアは父の死をなんとも思わない冷徹人間になるから。
ストレイボウがアリシアに最も知られてはいけないこと、それは
「王殺しの真犯人が自分である」ということ。
このことが知られてしまったらその時点でストレイボウの計画は破綻する。
せっかく手懐けたアリシアは自分の元を離れ、
国民に真実が暴露され、ストレイボウは国から追われる身となる。
従って、ストレイボウが余程の大マヌケでもないかぎり、
アリシアに聞こえるかもしれないところで
事の真相を大声で暴露するなんてことはありえない。
また、ストレイボウの声が聞こえていたのだとすれば、
その後のアリシアの反応がおかしい。
なぜアリシアは自分の父の死について一言も触れないのだ?
ストレイボウの真相暴露の直前、アリシアは
ルクレチア王の死について
1:そもそも王の死を知らなかった。
2:オルステッドが犯人だとストレイボウに教えられていた。
のどちらかであったはず。
なので、もしアリシアにストレイボウの話が聞こえていたなら、
1なら彼女は父の死という衝撃の事実をあのラストシーンで初めて知ったことになり、
2なら命の恩人だと思っていた男が実は父の殺害犯だったことを知ったことになる。
にもかかわらず、アリシアは父の死について何も語らない。
「今のストレイボウの話は本当なの?」でもいい。
「ストレイボウが父を殺すなんて信じられない」でもいい。
あるいは倒れたストレイボウに罵声・恨み言を投げかけるのでもいい。
何でもいいからとにかく父の死に対するコメントはあるはずだ。
普通の感性を持った人間であれば。
しかしアリシアは
ただストレイボウの事だけ語って自殺した。
なぜこんなことが起きたのか。答えは2つ。
A:ストレイボウが真相を暴露したい一心で
自らの計画を台無しにしてしまう大マヌケ野郎であり、かつ
アリシアが父の死をなんとも思わない冷徹人間だったから。
B:魔王像の中にいる人間には外の会話が聞こえないから。
個人的にはBのが有力だと思うのだ。
Aだとストレイボウやアリシアがあまりにも…
※8/28追記
ずいぶん昔の記事だけど、
そういやアリシアの記事なのに
心のダンジョンでのセリフについて書いてなかったので追記します。
アリシアが批判されている原因として大きいのが、
中世編での行動ともう一つ、
最終編の心のダンジョンでのセリフ
「お願いです…止めてください…オルステッドを」
である。
ざっとネット検索で出てきたものでも、
全く反省していない、とか
他人事だ、とか
お前のせいだろうが、とか
それはもうボッコボコに叩かれている。
が、自分はアリシアのこのセリフについては
上記のような感想は抱かず、むしろ
自分のせいだとはっきり自覚して反省した上での
あのセリフだと思っていたのであるが・・・
このアリシアのセリフが、
例えばドラクエでいうところの王様が勇者に対して言う
「勇者よ、世界を滅ぼそうとしている魔王を倒してきてくれ」
とかいうのと同じニュアンスのセリフだったとしたら、
上記の感想はわかる。
スゲーよくわかる。
だが、アリシアのセリフと上のドラクエの例とでは
決定的に違う点が一つある。
ドラクエで王が勇者に魔王討伐をお願いするのは、
もちろん自分たちの世界・国・命、
そういったものを魔王の手から守るためだ。
だが、
アリシアが件のセリフを言ったのは、
すでにルクレチアが魔王(オルステッド)に滅ぼされ、
国民も皆殺しにされてしまった後である。
つまり、アリシアには守るべきものがすでになく、
魔王を倒してもそれらが戻ってくるわけでもないので、
わざわざ魔王討伐をお願いする必要がないのだ。
オルステッドをこのまま放っておいたって
アリシアやルクレチアの人達(の魂)にはなんら実害はないし、
オルステッドが誰かに倒されたところで何の実益もない。
せいぜいルクレチアの人達の復讐心が満たされるくらいである。
だが、たぶんアリシアは復讐心から行動したわけではないだろう。
もしも復讐、つまり殺したいほどオルステッドを憎んでいるなら、
「止めてください」なんて半端な表現は使わず、
「殺して」「倒して」といったもっと直接的な表現を使うだろう。
「止めて」だと、あたかも
「殺さずに何とかして」というニュアンスに受け取れる。
まとめると、アリシアの発言は
国のためとか、国民のためとか、自分の命のためとか、
復讐のためとかのような、
「自分(達)のため」にとった行動ではないことがわかる。
で、自分のためでなかったとしたら、
もちろん「他人のため」になるわけだ。
じゃあその他人って誰よ? という話になるわけだが、
その前に一つ。
アリシアは最初に書いたように、
他人事だとか反省していないだとか批判されているんだけど、
果たして、オルステッドの一件を
全く反省せず、責任も感じず、他人事のように考えている人間が、
「自分のためではなく他人のために
魔王を"止めて"くれと泣きながらお願いする」
なんて行動をしますかね?
本当に無反省・他人事扱いな人間は、
そもそも自分の死後にまで
(復讐以外の動機で)オルステッドに関わろうとなんてしないよ。
せいぜい、ルクレチアの人達の魂がやっているように、
恨み言を言って後は放置するだけでしょう。
心のダンジョンでは皆、恨み言ばかり言い、
ハッシュやウラヌスですら、
オルステッドの末路をただ嘆き、憂うばかりであったというのに、
ただ一人、アリシアだけは
「オルステッドをなんとかしなければ」
と考えていたわけですよ。
それは何故かといったら、もちろん
自分のしでかした罪を自覚し、反省し、
責任を感じているからでしょう。
繰り返しになるけども、
そうでなければ死んだ後にまで
オルステッドに関わろうとなんてしない。
話は戻って、
じゃあアリシアは「誰のために」
オルステッドを止めようとしていたのか。
最終編でのオルステッドは、
主人公達、すなわち
様々な時代・世界の人々にまで被害を及ぼしていたわけだから、
それらの人々のために、という気持ちは当然あったろう。
が、もしそれがメインの動機だったら
目の前にいる、今まさに絶大な被害をこうむっている主人公たちに
まず侘びの一つもあるだろう。
主人公達以外に、魔王が止まることによって
何か益がある人物とは誰か?
それは「オルステッド本人」しかいない。
長々と書いてきたけど、つまりそういうことでしょう。
アリシアのあのセリフは、
オルステッドのために放たれた言葉なのであり、
魔王となって暴走しているオルステッドを
元に戻してやってくれ、助けてやってくれ、
という意味合いなんでしょう。
だからこそ「殺して」でも「倒して」でもなく
「止めてください」なのであろうと。
自分のせいでオルステッドが魔王になってしまった。
なんとかしてやりたい。
でも既に死んでいる自分では何もできない。
だからお願いします。
ってえ状況なんでしょう心のダンジョンでは。
とまあ、自分はこのように解釈したわけでして。
アリシアの都合のいいように解釈しすぎ?
まあ真相は開発スタッフにしかわからんわけですが。
でも、少なくともアリシアは
心のダンジョンで「無反省」だった
なんてことはないと思うよ。
ゲーム史上もっとも不幸な主人公とまで言われるオルステッド、
そしてその元凶となったストレイボウ、アリシア。
特にアリシアはスクウェア三大悪女とまで言われる有名人?ですよ。
でもですよ。アリシアってそんな悪人か? と思うわけですよ。
そりゃオルステッドが"ああ"なるトドメをさしたのは彼女だし、
そこで自殺するの!? とも思うし、
「悪くない」とはまったく思わないが、
ネット界隈では場合によっては
ストレイボウよりも悪いと言われていることすらあるのが
ちょいと違和感を覚えましてね。
アリシア擁護的な話になるけど、まあ、
今更アリシアふざけんな的な記事を書いても面白くないしね。
そもそもアリシアがなぜ悪女と呼ばれるのかは、
以下のような論理展開からだろう。
・アリシアはストレイボウに心変わりした。
↓
・普通の人間ならストレイボウがオルステッドの影で苦しんでいた話を
聞いただけで心変わりするはずがない。
↓
・よってアリシアは悪女だ。
しかしこれは以下のように考えることもできる。
・アリシアはストレイボウに心変わりした。
↓
・普通の人間ならストレイボウがオルステッドの影で苦しんでいた話を
聞いただけで心変わりするはずがない。
↓
・よってアリシアはそれ以外の話も
ストレイボウから吹き込まれていたはずだ。
この場合、アリシアのことを悪女とまでは呼べないはず。
単にプレイヤーはアリシアとストレイボウの間に何があったかを
ほとんど知ることができないため、
唯一知りえる情報である「ストレイボウがオルステッドの影で苦しんでいた話を聞いた」
の一点のみでアリシアの行動を判断してしまうから
悪女という結論にたどり着くだけなのだ。
ストレイボウがアリシアに何かを吹き込むことによって
オルステッドへの信頼を揺らがせることは、
やったかどうかはともかく、
可能か不可能かで言えば十分に可能だったはず。
なにしろ、アリシアは中世編で起こったほぼすべての出来事を
ストレイボウからの伝聞でしか知ることができなかった。
さらに、ストレイボウはアリシアにとって命の恩人であるため、
アリシアはストレイボウの言うことは基本的に信じるはずだ。
つまりアリシアはストレイボウにとって都合のいい情報しか与えられない状況にあり、
しかもその情報を信じるほかない状況でもあった、ということ。
こんな状況ならストレイボウがアリシアを"洗脳"するのは容易く、
オルステッドに対する好感度をがた落ちさせることも可能だったはずだ。
例として、ストレイボウとアリシアの間で起こりうる会話について考えてみる。
ストレイボウがオルステッドを出し抜いて
アリシアの元に一人でたどり着いたとき、
恐らくアリシアはストレイボウに対して、
「オルステッドはどうしたのか?」という質問をしたはずだ。
このころはまだアリシアがオルステッドが助けに来ると信じていたころだし、
(この頃の)アリシアにとって最悪の事態である
「オルステッドが魔王との戦いで戦死した」なんてことも考えられる。
オルステッドがいないことをスルーするとは思えない。
しかし、ストレイボウはこの質問に対して
「オルステッドと一緒に助けに来たけど、
魔法であいつを出し抜いて自分ひとりでここまで来ました」
なんて馬鹿正直に答えることはできない。
従って、ストレイボウは
「オルステッドがこの場にいないことに対する嘘の理由」
をアリシアに説明したはずだ。
しかし、オルステッドを憎んでいるストレイボウが
「オルステッドがここにいなくても仕方がないと思える理由」を話すはずがない。
むしろ
「オルステッドの株を大きく下げるような理由」を
適当にでっち上げて話した可能性の方が高い。
例えば
「オルステッドは王の警護を優先していて、
あなたを助けに来る気はないようです」
のような。とにかく、
「私はオルステッドを信じていたのに、
オルステッドはその信頼を裏切るような行動をした」
とアリシアに思わせればよいのだ。
先ほども書いたが、アリシアは命の恩人であるストレイボウが
嘘をついているなんて夢にも思わないだろうし、
実際、オルステッドは中世編ラストまで
アリシアを助けに来ないのだ。
その"事実"を突きつけられてしまっては、
アリシアはストレイボウの言うことを信じるほかない。
そうしてオルステッドの株を徹底的に下げた後、
今度はストレイボウがオルステッドにどれだけ苦しめられていたか、
をアリシアに話し出す。
ストレイボウは事実をそのまま淡々と話したのかもしれないし、
事実に尾ひれ背ひれをつけて脚色して話したのかもしれない。
しかしどちらにしろ、これによって
アリシアのオルステッドに対する株はさらに下がり、
ストレイボウの株は急上昇する。
とまあ、アリシアがストレイボウに心変わりした理由としては、
・悪女だから
・ストレイボウに情報統制され"洗脳"されていたから
と、どちらでも説明はつけられる。
なので一方的に悪女呼ばわりするのはどうかと思うし、
少なくともストレイボウより悪いなんてことはないだろう。
どう考えても中世編一番の悪はストレイボウだ。
ただ、上記の説に対して
「アリシアは魔王山の頂上で
ストレイボウが真相を暴露したシーンでの話を聞いているはずだ。
つまりアリシアは事の真相を全て知った上でストレイボウを選んだのだから
情報統制されていたなんてことはありえない」という意見もあるかと思う。
しかし自分はそうは思わない。
もしそうだとしたら、ストレイボウは救いようのない大マヌケになるし、
アリシアは父の死をなんとも思わない冷徹人間になるから。
ストレイボウがアリシアに最も知られてはいけないこと、それは
「王殺しの真犯人が自分である」ということ。
このことが知られてしまったらその時点でストレイボウの計画は破綻する。
せっかく手懐けたアリシアは自分の元を離れ、
国民に真実が暴露され、ストレイボウは国から追われる身となる。
従って、ストレイボウが余程の大マヌケでもないかぎり、
アリシアに聞こえるかもしれないところで
事の真相を大声で暴露するなんてことはありえない。
また、ストレイボウの声が聞こえていたのだとすれば、
その後のアリシアの反応がおかしい。
なぜアリシアは自分の父の死について一言も触れないのだ?
ストレイボウの真相暴露の直前、アリシアは
ルクレチア王の死について
1:そもそも王の死を知らなかった。
2:オルステッドが犯人だとストレイボウに教えられていた。
のどちらかであったはず。
なので、もしアリシアにストレイボウの話が聞こえていたなら、
1なら彼女は父の死という衝撃の事実をあのラストシーンで初めて知ったことになり、
2なら命の恩人だと思っていた男が実は父の殺害犯だったことを知ったことになる。
にもかかわらず、アリシアは父の死について何も語らない。
「今のストレイボウの話は本当なの?」でもいい。
「ストレイボウが父を殺すなんて信じられない」でもいい。
あるいは倒れたストレイボウに罵声・恨み言を投げかけるのでもいい。
何でもいいからとにかく父の死に対するコメントはあるはずだ。
普通の感性を持った人間であれば。
しかしアリシアは
ただストレイボウの事だけ語って自殺した。
なぜこんなことが起きたのか。答えは2つ。
A:ストレイボウが真相を暴露したい一心で
自らの計画を台無しにしてしまう大マヌケ野郎であり、かつ
アリシアが父の死をなんとも思わない冷徹人間だったから。
B:魔王像の中にいる人間には外の会話が聞こえないから。
個人的にはBのが有力だと思うのだ。
Aだとストレイボウやアリシアがあまりにも…
※8/28追記
ずいぶん昔の記事だけど、
そういやアリシアの記事なのに
心のダンジョンでのセリフについて書いてなかったので追記します。
アリシアが批判されている原因として大きいのが、
中世編での行動ともう一つ、
最終編の心のダンジョンでのセリフ
「お願いです…止めてください…オルステッドを」
である。
ざっとネット検索で出てきたものでも、
全く反省していない、とか
他人事だ、とか
お前のせいだろうが、とか
それはもうボッコボコに叩かれている。
が、自分はアリシアのこのセリフについては
上記のような感想は抱かず、むしろ
自分のせいだとはっきり自覚して反省した上での
あのセリフだと思っていたのであるが・・・
このアリシアのセリフが、
例えばドラクエでいうところの王様が勇者に対して言う
「勇者よ、世界を滅ぼそうとしている魔王を倒してきてくれ」
とかいうのと同じニュアンスのセリフだったとしたら、
上記の感想はわかる。
スゲーよくわかる。
だが、アリシアのセリフと上のドラクエの例とでは
決定的に違う点が一つある。
ドラクエで王が勇者に魔王討伐をお願いするのは、
もちろん自分たちの世界・国・命、
そういったものを魔王の手から守るためだ。
だが、
アリシアが件のセリフを言ったのは、
すでにルクレチアが魔王(オルステッド)に滅ぼされ、
国民も皆殺しにされてしまった後である。
つまり、アリシアには守るべきものがすでになく、
魔王を倒してもそれらが戻ってくるわけでもないので、
わざわざ魔王討伐をお願いする必要がないのだ。
オルステッドをこのまま放っておいたって
アリシアやルクレチアの人達(の魂)にはなんら実害はないし、
オルステッドが誰かに倒されたところで何の実益もない。
せいぜいルクレチアの人達の復讐心が満たされるくらいである。
だが、たぶんアリシアは復讐心から行動したわけではないだろう。
もしも復讐、つまり殺したいほどオルステッドを憎んでいるなら、
「止めてください」なんて半端な表現は使わず、
「殺して」「倒して」といったもっと直接的な表現を使うだろう。
「止めて」だと、あたかも
「殺さずに何とかして」というニュアンスに受け取れる。
まとめると、アリシアの発言は
国のためとか、国民のためとか、自分の命のためとか、
復讐のためとかのような、
「自分(達)のため」にとった行動ではないことがわかる。
で、自分のためでなかったとしたら、
もちろん「他人のため」になるわけだ。
じゃあその他人って誰よ? という話になるわけだが、
その前に一つ。
アリシアは最初に書いたように、
他人事だとか反省していないだとか批判されているんだけど、
果たして、オルステッドの一件を
全く反省せず、責任も感じず、他人事のように考えている人間が、
「自分のためではなく他人のために
魔王を"止めて"くれと泣きながらお願いする」
なんて行動をしますかね?
本当に無反省・他人事扱いな人間は、
そもそも自分の死後にまで
(復讐以外の動機で)オルステッドに関わろうとなんてしないよ。
せいぜい、ルクレチアの人達の魂がやっているように、
恨み言を言って後は放置するだけでしょう。
心のダンジョンでは皆、恨み言ばかり言い、
ハッシュやウラヌスですら、
オルステッドの末路をただ嘆き、憂うばかりであったというのに、
ただ一人、アリシアだけは
「オルステッドをなんとかしなければ」
と考えていたわけですよ。
それは何故かといったら、もちろん
自分のしでかした罪を自覚し、反省し、
責任を感じているからでしょう。
繰り返しになるけども、
そうでなければ死んだ後にまで
オルステッドに関わろうとなんてしない。
話は戻って、
じゃあアリシアは「誰のために」
オルステッドを止めようとしていたのか。
最終編でのオルステッドは、
主人公達、すなわち
様々な時代・世界の人々にまで被害を及ぼしていたわけだから、
それらの人々のために、という気持ちは当然あったろう。
が、もしそれがメインの動機だったら
目の前にいる、今まさに絶大な被害をこうむっている主人公たちに
まず侘びの一つもあるだろう。
主人公達以外に、魔王が止まることによって
何か益がある人物とは誰か?
それは「オルステッド本人」しかいない。
長々と書いてきたけど、つまりそういうことでしょう。
アリシアのあのセリフは、
オルステッドのために放たれた言葉なのであり、
魔王となって暴走しているオルステッドを
元に戻してやってくれ、助けてやってくれ、
という意味合いなんでしょう。
だからこそ「殺して」でも「倒して」でもなく
「止めてください」なのであろうと。
自分のせいでオルステッドが魔王になってしまった。
なんとかしてやりたい。
でも既に死んでいる自分では何もできない。
だからお願いします。
ってえ状況なんでしょう心のダンジョンでは。
とまあ、自分はこのように解釈したわけでして。
アリシアの都合のいいように解釈しすぎ?
まあ真相は開発スタッフにしかわからんわけですが。
でも、少なくともアリシアは
心のダンジョンで「無反省」だった
なんてことはないと思うよ。