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きょうのコラム「時鐘」 2009年10月4日
五輪招致レースは、耐久力のいる長距離と瞬時で決まる短距離走を合わせた戦いである。敗者には疲労感の残る過酷なレースである
何年もかけてPRした実績はあてにならず、ゴール直前の最終演説で決まると言われた。オバマ米大統領夫妻が乗り込み話題をさらった。ブラジルもスペインも大統領や国王が顔をそろえて華やかな運動を繰り広げた 鳩山さんは国内向けの顔でしかない。日本が先頭を走っていたはずのレースはゴール前で横一線になり、リオデジャネイロがすっと抜けた。が、演説1本で逆転したのではなかった。シカゴを最初に落としたIOCの判定は記憶に値する 参加することに意義があるどころか、金メダル以外は意味のないレースだった。2位も3位も深い敗北感が残るに違いない。77歳を祝ったばかりの石原都知事の行方もさりながら、目標を失った東京が漂流しないか心配になる 夢は失ったと思わず、いい夢を見せてもらったと思った方がいい。環境都市づくりへの長い道のりを走る力と、活力を生む瞬発力の2つを備えた首都を目指して、トレーニングのやり直しだ。 |