「エコカー時代」の到来
インタビュー
衆議院議員 中川昭一氏
オールジャパンで
水問題に対処
日本の知恵と
技術を生かせ
衆議院議員 中川昭一氏
──2007年、自由民主党内で「特命委員会水の安全保障研究会」を立ち上げ、今年6月に報告書をお出しになりました。中川さんは、経済産業大臣や農林水産大臣、自民党の政務調査会長など豊富な政治経験をお持ちですが、なぜ、今、水を取り上げたのでしょうか。
中川昭一衆議院議員(以下敬称略): 農水大臣を1998年と2005年に務めたことから、将来、食料問題は非常に厳しくなるという認識がありました。また、経産大臣時代に石油の値段がじりじり上がり始めたこともあり、エネルギー資源や鉄鉱石、レアメタルなどの資源も厳しい状況に向かいつつあることをひしひしと感じていました。そうしたなかで唯一、水については問題がないと思い込んでいたのが、ある資料を見て愕然とさせられたのです。そこには、1人あたりの水の保有量は世界平均で年間約9000t以上、それに対して日本は3分の1の3300tくらいしかないというデータが記載されていました。「日本は水でさえも決して豊かではない」というところから、水問題に関心を持ったわけです。
──最近では、温暖化問題に関連して水の問題も語られるようになっています。
中川: 水は食糧のみならず、エネルギーやさまざまな資源とも関係があります。私は「四位一体」と言っていますが、温暖化問題と化石燃料の問題、食糧安全保障、それと水は、深い関係があるわけです。
例えば、東京大学生産技術研究所の沖大幹教授は「バーチャルウォーター」という考え方を提唱していますが、牛肉を1kg作るのに水が22t必要だということを考えると、世界で一番水を輸入している国は日本ということになるのです。また、水力発電を増やすことができれば、原子力発電を増やさなくても化石燃料依存を下げることができます。究極的には、水そのものを水素と酸素に分け、水素エネルギーとして化石燃料の代替とするような技術開発分野もあるかもしれません。
一方で、温暖化問題の進展に伴い、世界各地の降水パターンが大きく変わる可能性があります。これはプラスの影響ですが、北極の氷が融けて北極海を航路として確立できれば、日本の海運をはじめとした運送体系が画期的に変わります。スエズ運河、あるいは喜望峰回りの半分以下の距離と時間ですんでしまう状況になる。資源的には直接変化がないかもしれませんが、物流という意味で非常に大きな変化の可能性があると考えています。
WBCSD理事 クリスチャン・コーネバル氏(09/07/30) |
WBCSD事務総長 ビヨン・スティグソン氏(09/07/16) |
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芝浦工業大学学長 柘植綾夫氏(09/05/07) |
IPCC第3作業部会共同議長 オットマー・エーデンホファー氏(09/04/02) |
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長岡技術科学大学経営情報系教授 李志東氏(09/03/16) |
仏ラファージュ社副社長 ヴァンサン・マージ氏(09/03/12) |
オールジャパンで水問題に対処
日本の知恵と技術を生かせ
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