台湾 2009年10月3日(土曜日)
日台当局のエルピーダ支援、米政府が圧力[IT]
米国政府は、台湾と日本の当局によるエルピーダメモリへの資金支援に圧力をかける姿勢であることがわかった。世界貿易機関(WTO)でも議題に取り上げる方針。日台当局の台湾創新記憶体(TMC)設立、エルピーダ支援が非効率企業の生き残りを助けるものとライバルである米マイクロン・テクノロジーが、米政府に訴えていたことに応じた。
マイクロンは本社のあるアイダホ州の地元選出議員を通じて米通商代表部(USTR)に対し、日台当局によるDRAMメーカー支援政策について抗議していた。内容は、海外の政府が公的資金を投入して企業を救済するのは非効率な生産を持続させ、DRAM価格の下落を招くとするもの。米政府はこれを正式に受理し、両当局に圧力をかける方針を固めた。
DRAM業界は、サムスン電子とハイニックス半導体の韓国勢2社が世界の首位と2位を占め、エルピーダが3位。マイクロンは4位で、エルピーダと台湾勢の協力へ対抗姿勢を強めるようだ。
米政府の動きはTMCに何らかの影響を与える可能性がある。行政院の呉敦義院長は1日、TMCによる100億台湾元規模の事業計画の財源について行政院国家発展基金(国発基金)から40億元、戦略投資家から60億元を集める考えを示した。ただし「これは正式に決定されていない」と述べ、米政府による動きについても「議論するには時期尚早」とした。TMCは「当社に関心を払ってもらい感謝する」とのみコメントしている。
業界関係者によると、エルピーダへの資金注入が滞れば、先進プロセスへの投資にも影響が出る恐れもあり、TMC陣営とは距離を置く台湾プラスチックグループの南亜科技(ナンヤ)、米マイクロンが出資する華亜科技(イノテラ)を結果的に利する可能性もある。2日付台湾各紙が伝えた。