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2009Sep Sun.

13
連絡会社線内、途中下車をしよう。

かなり際どい、しかもあまり面白くない話です。
 
 
あと、実行したきっかけは単純に興味によるものであり、
出札・改札の不備を指摘、または糾弾する意図は全くないことを先に記しておきます。
こう書いておかないといろいろ問題ありそうで。
 
 
 
 
このような発言をしました。
 
>3428 名前:名無しになるもんっ♪[sage] 投稿日:2009/09/13(日) 11:53:56 ID:???
>会社線への連絡乗車券で、旅客会社線部分が途中下車可なら
>連絡会社線内も途中下車できたような記憶がヽ( ‘∀‘)ノ

>例外すぎるのでどっか行きます

 
 
この発言、私鉄線内で途中下車が可能かどうかという話題だったのですが
あまり考えずに旅客連絡運輸規定 76条により可能ではないか、と発言したのです。
 
連絡乗車券は、旅客鉄道株式会社(今回は東日本旅客鉄道株式会社)が発行するもので
発行会社の規則が準用、と思い発言に至りました。
 
 
(途中下車)
第76条 旅客は、旅行開始後、その所持する乗車券によつて、その券面に表示された発着区間内の駅
(旅客運賃が同額のため2駅以上を共通の着駅として乗車券については最終着駅)以外の駅に
下車して出場した後、再び列車等に乗り継いで旅行すること(以下「途中下車」という。)ができる。
ただし、次の各号に定める駅(連絡接続駅を除く。)においては、途中下車をすることができない。

(1)全区間のキロ程が片道100キロメートルまでの区間に対する普通乗車券を使用する場合は、
その区間内の駅。ただし、列車の接続等で、接続関係等の理由により、旅客が下車を希望する場合を除く。
(2)〜(4)省略
(5)運輸機関が特に途中下車できない駅を指定した場合は、その指定した駅。
(出典 東日本旅客鉄道株式会社 旅客関係単行規程集)
 
上記、連絡会社線での途中下車を禁止する規定は見あたらず、連絡会社線の規則に準ずる規定も
見つからない。(5)が曖昧だが、たとえば全駅下車禁止としていすればその会社線内では
一律途中下車不可能となるはず。
 
 
つまり、規則を読む限りでは途中下車自体はできそうだが、できない根拠もあるにはあるといった状態。
 
しかしこのままでは、机上の空論を出ません。
ネットで調べた結果だけで満足していてはそこ止まりとなってしまいます。
そこで、今回は実際にJR東日本線〜東急電鉄線〜JR東日本線の通過連絡乗車券を購入し、
しかもJR東日本線を大回り、さらに東海道新幹線を経由することで大都市近郊区間からもはずし
途中下車可能である乗車券を購入した上で、連絡先会社線内で途中下車可能か
確かめてみる事にしました。よい子は真似してはいけません。
 
 
 
 
 

まずは乗車券。
 
通過連絡運輸に関しては明文化された情報が出回る機会が非常に少ないが、
東京急行電鉄線を挟む、JR東日本の通過連絡運輸区間は以下の通り。
 
 
JR東日本1:東京山手線内(山手線一周と内側の中央線・総武線区間)
東京急行電鉄線:東横線、渋谷〜武蔵小杉間
JR東日本2:南武線、矢向〜宿河原間
 
たとえば、原宿〜(山手線)〜渋谷〜(東横線)〜武蔵小杉〜(南武線)〜向河原。
都心から遠ざかる向き(東横線基準で下り)は、東横線の運賃がマルス収容されているので
そのまま発券可能。なぜ上りが入ってないかは不明。
 
 
上記を、JR東日本2をとんでもなく大回りして発券した経路で試してみたい。
 
原宿→向河原、経路は以下の通り。
原宿(山手)渋谷(東急線)武蔵小杉(南武)立川(中央東)八王子(横浜線)
新横浜(新幹線)品川(東海)川崎(南武)向河原
 
 
JR東日本 えきねっとで経路を指定し、購入したのがこちら。
いろいろ突っ込みどころがあるが、まあそれは追々。
 
 
pat
 
 
 
新宿。山手線で渋谷。
 
pat
 
 
 
渋谷で下車。ところで、乗り換えのための一時出場は途中下車っていうんだろうか。
 
 
渋谷のJR東日本改札で、東京急行線内で途中下車できるか聞いてみたが、
多分できない、東急線の駅で聞いてほしいとのこと。
なお、発駅が「東京山手線内→」となっているのをみてここで降りることはできない、とも言われた。
まあ普通に考えればそうですよね。通過連絡運輸のマルス券自体まず無いものといえる訳で。
 
pat
 
 
 
東京急行電鉄、東横線改札。
東横線内で途中下車できるか確認してみるが、東京急行電鉄線は途中下車の扱いが無いため、
途中下車不可との回答を得る。
 
pat
 
 
 
それはそれとして、JRの様式のマルス券で東京急行電鉄の改札を通過できる。
こういった経験は滅多にない。サイバネ規格準拠なのだと改めて認識した。
 
pat
 
 
 
東横特急。湘南新宿ラインのライバルですね。
 
pat
 
 
 
途中駅の自由が丘、
 
pat
 
 
 
各停に乗り換え田園調布でも途中下車可能か改札で聞いてみる。
回答はどちらも不可とのこと。
窓口の裏の方まで確認に行ってできないとのことなので、多分本当にできないのだろう。
なお、係員と規則を議論するのが目的ではないので不可と言われた後は引き下がる。
あきらめが肝心。
 
 
でも、これ改札機……。まあいいや。
 
pat
 
 
 
武蔵小杉。この駅はルート上出場できないと困る。
当然自動改札で出場できる。
過去にはマルス券では出られなかったような……。
 
pat
 
 
 
JR東日本改札口へ。
ここから上り方面に一駅が目的地なのだが、敢えて遠回り。
 
pat
 
 
 
JR東日本線に入れば、制度上全く問題なく途中下車可能。
適度に降りてみる。
 
例えば武蔵溝ノ口駅。なんだろうこれ。
 
pat
 
 
 
立川で中央線に乗り換え、八王子。

 
pat
 
 
 
ポツ。
 
pat
 
 
 
新横浜着。
新横浜でも途中下車し、新幹線特急券を買う。
 
pat
 
 
 
のぞみ号で品川。車内販売から何か買おうかと思ったが営業終了の準備中だったのであきらめる。
 
pat
 
 
 
品川到着。
ここでも途中下車してみよう。
 
pat
 
 
 
自動改札機を通す。
「複乗」エラーで出場不能。
 
さあ、大変なことになった。
何もやましいことは無い。落ち着いてJR東海 精算窓口へ行こう。
 
 
pat
 
 
 
まずこの経路。
「渋谷・東急線・武小杉・南武・中央東・横浜線・新横浜」で切れている。
 
しまった、えきねっと発券すると80mm券に合うよう券面記載事項が省略されてしまうんだった。
120mm券なら経由記載事項は45文字までだから大丈夫だったかもしれないが、
そうすると今度は自動改札機を通過できず必ず有人窓口となってしまう。善し悪し。
 
本来は不足する「新幹線・品川・東海・南武」を出札で手書き事項として追記する必要があるが
そのような手続きは受けていない。
そもそもえきねっと発券であればMV30を使うことで出札係員の手を経ることのない発券すら可能。
 
JR東海精算窓口係員によると、経路が「新横浜」で終わっているので、そこから
横浜線・東海・南武(東神奈川、川崎乗り換え ※)になっており、経路外の乗車ではないかと聞かれる。
しかしこちらも引き下がるわけにはいかない。なんでだろう。
 
有効期間が2日になっているところを主張し、※の経路では大都市近郊区間完結のため有効期間1日で
あることを説明する。東京急行電鉄線の運賃を含む全体の運賃を計算することで、
記載されていない区間がこちらの請求通りであることが確認できた。
 
 
次にこの発駅。
東京山手線内発でありながら、品川駅を経由している。
本来この経路であれば、東京山手線内ではなく、乗車駅単駅(新宿→向河原)とすべきではないか、
そのため複乗となり、途中下車不可ではないかと説明を受ける。
しかしこちらも引き下がるわけにはいかない。なんでだろう(2回目)。
 
おそらく、単駅指定は旅客営業規則87条のことを言っているんだと理解する。
 
 
(東京山手線内にある駅に関連する片道普通旅客運賃の計算方)
第87条 東京山手線内にある駅と、中心駅から片道の営業キロが 100キロメートルを超え
200キロメートル以下の区間内にある駅との相互間の片道普通旅客運賃は、
当該中心駅を起点又は終点とした営業キロ又は運賃計算キロによつて計算する。
ただし、東京山手線内にある駅を発駅とする場合で、普通旅客運賃の計算経路が、
東京山手線内の外を経て、再び東京山手線内を通過するとき、又は東京山手線内にある駅を
着駅とする場合で、発駅からの普通旅客運賃の計算経路が、東京山手線内を通過して、
東京山手線内の外を経るときを除く。

(出典 東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則)
 
 
しかしこれはあくまで「再び東京山手線内を通過」する場合の規則であり品川でそのまま
折り返す場合は当てはまらないのではないかと説明し事なきを得る。いいのか?
 
券面記載事項のうち、手書き事項が抜けているのは明らかに誤りである、とのことで
精算所係員により追記される。
 
 
pat
 
 
 
なお、この手書き事項は自分の手で書いたものでは決してないことを強調しておく。
エクスキューズは重要ですよね。
 
 
 
 
 
後は特に問題も無く川崎、南武線と乗り継ぎようやく到着。
いろいろあったので記念に乗車券に無効印を押印してもらい持ち帰る。
  
ついたー。
 
pat
 
 
 
まとめ。
・○○の対応は駄目だ!などと指摘する意図はありません。
 むしろこんな面倒なことにお付き合い頂き感謝しています。
・連絡会社線での途中下車は、できる根拠の規定はあるが、現場レベルではまず断られる。
 途中下車できたという人もいるようだが、どちらが正しい扱いなのかはわからない。
・えきねっとで長い経路の乗車券を出すときは注意。特に経路が途中で切れている場合。
 そんな人はまずいません。
・そもそもこの乗車券、東海旅客鉄道と東京急行電鉄の通過連絡運輸にもなっているが……
 この2社は通過連絡運輸を行っておらず、規則上発券できるかどうか微妙。
 でも出せてしまうんだよなあ。
 
 

Posted by hokanko at 2009年09月13日 23:27