川辺川ダム建設中止を表明した鳩山政権に対する五木村の素早い動きに驚かされた。
18日午前、村議会でダム対策特別委員会の設置を決め、定例会閉会後の午後1時から委員会を開会。国への抗議文の提出が決まると、職員が10分で文案を作り、村議が手直しした。午後3時から臨時会を開会し、すぐに全会一致で可決した。
小さな行政組織だからこそ可能とも言えるスピードは、タイミングを逃さずに抗議の意思を表明せざるをえない村の決意の表れでもある。
臨時村議会終了後、役場から外に出ると既に日は傾き始めていた。静かに時が流れる山里で、対照的に慌ただしく動く職員と村議の姿は、巨大公共事業に振り回され続ける小さな村の終わらない苦しみを示しているようだった。
毎日新聞 2009年9月20日 地方版