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 第11回
 もーろー日記
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2009年07月25日
0斉藤守彦の特殊映像ラボラトリー ][ 第10回2009年上半期・特殊映像総決算! ]
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斉藤守彦の「特殊映像ラボラトリー」

第10回 2009年上半期・特殊映像総決算!(3)
■東映のライダーと戦隊 ■深刻なハリウッド映画離れ

斉藤守彦

【東映は、またしてもライダーと戦隊に救われた。】

 上半期に公開された、特撮映画…とはいうものの、何が「特撮」映画なのか、昨今でははっきりしない。とりあえず「特撮シーンが作品の中で、重要な役割を果たす作品」と定義して、成績を並べていくと…。
 正月映画では、日本テレビ他製作による、パニック感動映画「252/生存者あり」は、興収16.7億円と目標を下回った。同じく日テレの「K-20/怪人二十面相・伝」は20億円と好調。TVシリーズの劇場版「トミカヒーロー・レスキューフォース」は、中規模マーケットで2.2億円をあげた。
 年明けの作品では、4か月後に公開されたら、まさしくパンデミック級の広がりになったかも、というのは不謹慎か「感染列島」は19.1億円。予定していた映画が配給中止になったため、急遽公開された東映の「劇場版炎神戦隊ゴーオンジャーVSゲキレンジャー」は、手堅く3.1億円。堤幸彦監督の「20世紀少年 第2章・最後の希望」が30.1億円と前作対比9.4億円減。

 2009年上半期最高のエポックのひとつは、何と言っても三池崇史監督の「ヤッターマン」のスマッシュヒットにつきる。あの「ドラえもん」の足を止め、最終的に興収30.8億円というビッグ・ヒットとなったのには、心底驚いた。親子二世代を動員出来たのは、アニメ・シリーズのオンエアがお子ちゃまたちを、深キョン扮するドロンジョのセクシーぶりが、かつてアニメに熱中した、お父さん世代を誘惑したからか。
 5月1日から公開された、紀里谷和明監督の新作「GOEMON」は、興収14.2億円と、同監督の前作「CASSHERN」(興収15.3億円)を超えられなかった。筆者的にはその出来には満足だったのだが、なぜかこの作品に厳しい評価を下す人が多い。某雑誌に掲載された「この映画に対する評価が厳しいのは、キリヤ監督がハンサムであるからだろう。これがいつものように、ヒゲでデブのおたく監督の作品ならば、もっと賞賛されたかも」との、某ライターの指摘には、苦笑あるのみ。くくく…。

 同じく5月1日から、東映αチェーンで公開された「超・仮面ライダー電王&ディケイド/鬼ヶ島の戦艦」は、興収7.8億円と相変わらず好調。αチェーンで公開された「仮面ライダー電王」シリーズ作品としては、「電王&キバ」の7.4億円、「さらば電王」の7.2億円を上回る成績だ。
 年頭、日本映画製作者連盟の記者会見において「東映がピンチに陥ると、仮面ライダー、戦隊、プリキュアは必ず駆けつけてくれます!!」と言い放った、岡田裕介社長。彼の主張が正しかったことは、ここに証明された。
 
【ハリウッド映画離れは、深刻な事態…】

 外国映画のうち、アニメ作品では、正月に公開されたディズニーの「ウォーリー」が、興収40億円とヒット。同じくディズニーの「ティンカー・ベル」も5億円と、小規模マーケットながら健闘。春休みのドリームワークス・アニメ「マダガスカル2」は10.5億円と、前作(興収22.5億円)の半分以下にダウンした。
 最近では観客の嗜好が変化し、CGとVFXばかりで、けたたましい大量宣伝が行われる、ハリウッド製大作映画は、軒並み予想を下回る成績しか収められなくなっている。連日TVスポットを「これでもかっ!!」とばかりに打たれると、“もう見ちゃった感” が募り、それがマス・マーケティングの無力化に繋がるってことが、メジャー系配給会社のお歴々には分からないらしい。

 外国映画・特撮部門では、正月の「地球が静止する日」が24.2億円とまずまずだったが、今世紀最大の珍品(笑)「DRAGONBALL EVOLUTION」は、興収10億円に届かず。当然か。「ウォッチメン」4.06億円、「スター・トレック」5.82億円は、全米マーケットでのヒットに比べると見劣りがするが、この国にアメコミ映画や「スター・トレック」シリーズを受け入れる土壌がないことは、もう分かっているはず。  
 「DRAGONBALL…」同様、配給会社がマスコミ試写を行わなかった(正確には「誉めて書いてくれる人にしか見せなかった」。不遜だなあ)「ベッドタイム・ストーリー」は、それでも4.35億円を計上したが、「ラスト・ブラッド」は、配給会社に興行収入を問い合わせるのもはばかられるほどのコケっぷりであった。

 6月に入って、いずれも大規模に公開された「ターミネーター4」「トランスフォーマー/リベンジ」、共に期待を下回る成績に、関係者は唖然。現在上映中ゆえ、あくまで現時点での予測だが、「ターミネーター4」は現在興収30億円を突破したが、作品内容から判断して、今後客足が伸びるとも思えず、マキシマム35億円といったところだろうか。
 実は筆者のお気に入り「トランスフォーマー/リベンジ」も、現時点で興収16.5億円。このペースで行った場合、20〜25億円が限界か。2年前に公開された前作は、興収40.1億円だったことを考えると、我が国の映画観客の外国映画、特にハリウッド映画離れが深刻であることが分かろうというもの。
 ここは「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」のマーケティングを、謙虚な姿勢で勉強しなさいよ、メジャーの人たち。人間、謙虚でなくっちゃ。  
(興行成績は、一部推定)

(1) ■好調 プリキュア ■ヤッターマンショック ■コナンとしんちゃん
(2) ■小規模公開のアニメ、好調 ■「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」

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posted by animeanime at 2009.07.25
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