ベストセラー「いつまでもデブと思うなよ」の著者で、オタク評論家として知られる岡田斗司夫さん(51)が、この本に関する携帯サイトの閉鎖を巡って損害賠償請求訴訟を東京地裁に起こされていたことが分かった。原告はサイトを開設したソフトウエア開発会社「T2メディアパル」(東京都渋谷区)で、開発・運営費が無駄になったとして約2200万円の支払いを求めている。
提訴は6月2日付。訴えによると、T2社は岡田さんの依頼で07年2月、ダイエットをテーマとした本を出版した上で携帯サイトを開設しようと企画。同年8月に「いつまでもデブと思うなよ」が発行され、54万部売れた。これを受けT2社は08年4月、携帯電話3社の審査を経た公式サイト「いつデブ・Diet」を開設した。
しかし、岡田さんは別の携帯サイトの著作権使用料引き上げを巡って他の会社とトラブルになった。このため今年1~2月、「別の携帯サイトで著作権使用料を巡るトラブルがある」と携帯電話3社に通知し、権利関係の紛争を懸念した3社がT2社の開設サイトも3~6月に閉鎖したという。
T2社は「岡田さんは、サイト運営の継続に努力しなかった」と主張している。
岡田さんは東大教養学部でオタク文化論ゼミを開講し、アニメやゲームに詳しい作家として活動。
「いつまでもデブと思うなよ」では、117キロあった体重を1年で50キロ減らした独自の「レコーディングダイエット」を紹介し話題になった。
提訴について岡田さんは「著作権の契約がないまま運営されていた全く別のサイトについて、状況を携帯各社に知らせただけだ。提訴は言いがかりで、大変遺憾」と話している。【伊藤一郎】
毎日新聞 2009年9月25日 15時00分