ロシアの人口ピラミッドは、日本より、それぞれ、10歳若いが、日本と同様、2つの人口が多い世代(2001年段階で40代前半とその子ども達である10代後半)を抱えた2重独楽型である。

 しかし、最も目立っているのは、50代後半の人口の際立った少なさであり、第2次世界大戦中の出生減が大きく反映した特徴を持っている。またその親の世代である70代後半より上の年齢層(特に男性)の少なさにも気付かされる。ロシアは第2次世界大戦で1450万人の戦死者、700万人以上の民間人犠牲者を出したといわれる(図録5227参照)が、人口ピラミッドも日本とは比べものにならないぐらい大きな第2次世界大戦による影響を受けていると言わざるをえない。

 また、1970年代以降のロシアにおける男性死亡率の高さ、平均寿命の低下(図録8985参照)が、男女の比率にあらわれている。年齢別の性比(参考図)を見ると、40代以上の年齢で日本と比べ男性が際立って女性と比べ少なくなっているのである。

 さらに、2前後であった合計特殊出生率(参考図)が1991年のソ連邦崩壊後、急落し、最近は1.3前後となっているため、出生数も減少し、0〜4歳人口は630万人と少なくなっているのも、もう1つの特徴である。

 日本だけでなく他国の人口ピラミッドと比較しても、ロシアの人口ピラミッドは、男女の非対称、あるいは年齢別のギザギザ度が目立っており、ロシアの数奇な歴史経緯をそこに感じ取ることができる。

(2006年10月11日収録)  

関連図録
1550 合計特殊出生率の推移(日本と諸外国)
5227 第2次世界大戦各国戦没者数
8220 中国の人口ピラミッド
8250 インドの人口ピラミッド
8720 米国の人口ピラミッド
8900 韓国の人口ピラミッド
8920 ドイツの人口ピラミッド
8985 ロシアの平均寿命の推移
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