ドイツの人口ピラミッドを見ると、2重独楽型の形は日本と似ている。年少人口の少なさも日本と似ている。

 しかし、いわゆるベビーブームで人口が増加した世代が日本より5〜10歳上である。

 まず、50歳代後半〜60歳代前半の膨らみであるが、これは、第1次世界大戦以前からワイマール共和国時代にかけて進行した出生率の低下に対するナチス時代の強力な出生促進政策による1933〜40年の出生率の一時回復によるものだと思われる(参考図参照)。ただし、原俊彦(2000)によれば、これによって完結出生児数が回復したのではなく、経済不況による出生の遅れの取り戻しや前倒しの出生行動によるものとされている。

 30歳代の膨らみは、戦後のベビーブームによるものであるが、戦前の出生ブームの影響と戦争の疲弊によって日本や世界各国に遅れ1960年代に大きく出生率が高まった影響がミックスした結果であるといえる。

 なお、過去の出生動向については、札幌の松谷光幸さんから資料を紹介されました。感謝申し上げます。

(2006年3月25日収録)  

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