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脳表面に神経製造細胞 壊死部分の修復につながる可能性

2009年9月27日17時17分

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 大脳の表面にも新たに神経細胞を作り出す特殊な細胞があることを、国立循環器病センターなどのチームが明らかにした。この細胞は神経細胞の元になる「神経幹細胞」と考えられ、脳が修復される可能性もあるという。24日付の米専門誌ストローク電子版に掲載される。

 大人になると脳の神経細胞は増えないとされている。ただ、脳の奥深くにある海馬などには神経幹細胞が存在し、嗅覚(きゅうかく)と記憶にかかわる神経細胞だけが新たに作られると考えられてきた。

 同センターの柳本広二(やなもと・ひろじ)脳血管障害研究室長らは、特殊な「電位の波」が海馬などの神経幹細胞を刺激し、新たな神経細胞が作られることに着目。塩化カリウムを注入することで人為的にこの電位の波を作り出し、ラットの脳を調べた。

 その結果、48時間刺激を与え続けると大脳の表面の細胞が分裂を始め、脳内部に潜り込んでいった。6日後には内部で若い神経細胞が見つかったという。

 この電位の波は神経細胞が壊れると発生し、頭部外傷や脳卒中の直後に出てくることが確認されているという。脳卒中などで壊死(えし)した脳の治療などにつながる可能性も期待される。(木村俊介)

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