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<速読こそすべて>

きつねのイラスト速読こそすべて(7)


2、あなたは潜在意識活用の天才
 
実はあなたは、潜在意識活用の天才なのです。「えっ、そんなばかな。潜在意識なんて言葉自体あまり聞いたこともないのに」と思われるかもしれませんが、でも、それはまぎれもない事実です。あなたは生まれてからずっと潜在意識をフルに活用されてきました。そして、ある特定の能力につき、すでに達人の域にまで到達されていらっしゃるのです。
 ある特定の能力とは何でしょうか。それは“日本語”です。
 あなたが日本人であれば、日本語がお上手であるはずです。少なくとも日常会話には困らないほどに、日本語を使いこなしていらっしゃることでしょう。
 ところであなたは、ご自分がどれほどの数の単語や言い回しなどを記憶しているかを、考えてみたことがおありでしょうか。おそらく、何千、何万という数であるはずです。
 これはすごい数です。今、もし同じ数の英語の単語や言い回しを覚えてくださいと言われたら、気が遠くなることでしょう。
 それが日本語であれば、それほどの数の語彙をあなたは当然のように知っていて、日常会話でよどみなく使えます。その秘密はどこにあるのでしょうか。
 あなたが日本語を覚えてきた過程を振り返ってみましょう。
 まず、顕在意識活用型である丸暗記という方法をとらなかったことは明白です。たとえば、「バナナ」という単語を覚えるのに、表にバナナの絵、裏に「ばなな」と書いた単語カードを子どものころに作った経験がある人は、誰もいないでしょう。
 でも、今あなたは、「バナナ」という単語を当然のように知っています。なぜでしょうか。それは、あなたが潜在意識をフルに活用してきたからです。
 あなたは、ごく小さいころに、「バナナ」という単語と遭遇しました。どういう形態の遭遇であったかは、今となっては知る由もありません。お母さんに「これはバナナっていうんだよ」と教えてもらったのかもしれませんし、絵本で見たのかもしれません。ともかくその最初の遭遇によりあなたは、黄色い細長い物体の名称が、「バナナ」であることを、“理解”したのです。
 そのときにあなたは、「そうか、これはバナナっていうんだな。よし、覚えておかなきゃいけないな」とは、けっして思わなかったはずです(思ったとしたら、あなたはアインシュタイン以来の大天才です。)。
 「バナナ」という単語は、記憶のかなたへ押しやられ、時の流れとともに、完全にあなたの意識から抹殺されてしまうのでしょうか。
 答えは否です。「バナナ」という単語は、けっして消え去ることはありません。あなたの潜在意識の奥底に確実に格納されたのです(入力)。ただこの時点では、潜在意識の最深部に格納されたので、あなたはまだその情報を引き出して使う(出力)ことはできません。
 そうです、「人間は忘れる動物である」との言い古された常識は、実は誤りであったのです。この常識は、顕在意識にのみ当てはまります。丸暗記によって顕在意識に格納された知識は、少し油断すると、あっというまに異次元のかなたへと飛散していってしまいますが、理解によって潜在意識に格納された情報は、あなたが死ぬまで消え去ることはありません(消去不可能)。
 しばらくしてあなたは、「バナナ」という単語との2度目の遭遇を迎えます。今度は、「これはバナナっていうんだよ」と、お父さんに教えてもらいました。このときあなたは、「ふ〜ん、これはバナナっていうのか、初めて聞いたな」と思うはずです。そしてまたすぐに忘れてしまいます。
 しかし、「バナナ」情報は、あなたの潜在意識に確実に格納されます。これでバナナ層は、2層になりました。ただし、この時点でもまだ、バナナという単語は、あなたにとって「生きた使える語彙」ではありません。
 その後あなたは、徐々に成長していきます。日本語の洪水にもまれる毎日です。「バナナ」という単語には、何十回、いや何百回と遭遇することでしょう。
 何十回目の遭遇のときに、あなたの脳は突然ひらめきをみせます。
 「あれっ、このバナナという単語、前にも見たことがあるぞ」

3、入力の完成のおとずれ
 この現象を私は、「入力の完成」と呼んでいます。次ページ(実際には以下)の図をご覧ください。潜在意識に蓄積された「バナナ」情報は、次第に層を成し、ある飽和状態を超えた時点で潜在意識からあふれだし、顕在意識へと駆け上がります。

「入力の完成」のメカニズム
入力の完成のメカニズム

 お風呂のお湯を出しっぱなしにしておくと、いずれ湯船からあふれだすのと同じ理屈です。あふれだしたときには、湯船の中はお湯でいっぱいになっているでしょう。あなたの潜在意識の中にも、「バナナ情報」が満々と蓄えられているのです。
 「入力の完成」を迎えれば、もうしめたもの。「バナナ」という単語は、あなたの意識の中に深く定着し、いついかなるときも忘れることのない、“生きた使える語彙”となったのです。
 いかがでしょうか。これが、あなたが潜在意識活用により日本語を修得されたメカニズムです。これまではあまり考えたことはなかったかもしれませんが、言われてみればとても当たり前のことであることに気づかれるでしょう。

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