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【社会】

朝鮮挺身隊に社保庁も厚生年金認定 支援団体が三菱に謝罪要求へ

2009年10月2日 朝刊

 太平洋戦争末期、女子勤労挺身(ていしん)隊員として三菱重工業の軍需工場(名古屋市南区)に動員された韓国人女性8人(うち3人は死亡)について、社会保険庁は9月、女性らが当時、厚生年金に最大11カ月間、加入していたことを認定した。勤務先の三菱は「労働の事実は確認できない」と主張しており、女性らの支援団体が2日、同社本社(東京)を訪れ、理解と謝罪を求める。

 社保庁の出先機関である熱田社会保険事務所が、9月7日付で認定した。三菱側の記録は、戦後の混乱や伊勢湾台風で消失。社保庁も、記録からは全員の加入期間を特定できなかったが、女性や遺族、日本人同僚の証言を採用し、判断した。

 8人は、国と三菱に損害賠償などを求めた名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟の元原告ら。判決によると、当時10代前半だった女性らは、1944〜45年に同社名古屋航空機製作所道徳工場などで働かされ、部品の切断や塗装の作業に従事した。

 現在、5人が78歳から81歳。3人はすでに死亡した。認定期間は、7人(うち2人は死亡)が44年10月〜45年9月の11カ月、1人は44年10月から、東南海地震で同年12月に死亡するまでの2カ月。

 「名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟を支援する会」は98年から照会を求め、今年7月までに全員の年金番号などが見つかった。6カ月以上の加入者には脱退手当金が支払われるが、当時の給料などを元に換算するため、総額は数十円程度となる。

 三菱は訴訟で、女性らの被害や労働の実態について「戦前の会社とは法人格が別なので責任を負わない」「記録がなく確認できない」と主張してきた。支援する会の小出裕さん(68)は「司法に続き、行政が労働に従事した事実を認めた意義は大きい。三菱は態度を改め、新政権にも謝罪を求めたい」としている。

 【名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟】太平洋戦争末期、「女学校に通え、働いて給料ももらえる」と言われて朝鮮半島から動員され、実際は過酷な労働を強いられたとして、韓国人女性と遺族らが国と三菱重工業に謝罪と総額2億4000万円の損害賠償を求めた。2005年の一審名古屋地裁判決では、日韓請求権協定により原告に請求権はないと判断。07年の名古屋高裁判決は強制労働など不法行為責任を認めた。08年に最高裁が上告を棄却、原告の敗訴が確定した。

 

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