「今○万円を振り込むと、子供手当てが優先される」
話題を戻そう。こうした変化や新制度を巧みに利用して、詐欺師はあなたに近づいてくる。したがって、政権交代の裏側で、新しい詐欺の登場準備が進められていると思ったほうがいい。
それを防ぐために一番いいのは、行政側がはっきりと手続きや実施時期を明示することにある。
特に今回の政権交代では、来年度から実施されるものが多い。ところが予算は年内に策定されるため、情報はマスコミから伝わることになる。実施時期は新年度つまり4月であるにも関わらず、その数か月前には、行われること「だけ」が伝播していく。そこに騙される余地が生まれることになるだろう。
新政権は子供手当てや母子加算、高速道路無料化、高校実質無料化、郵政民営化見直し、金融モラトリアムなど、お金にまつわる新政策を多数謳っているだけに、大げさなほど注意してほしいのだ。
「今○万円を振り込むと、子供手当ての割り当てが優先される」
「母子加算には審査があるが、こちらで手続きすればすぐに可能」
「高速道路無料化で不要になるETCに対する補償金が払われることになったが、先着順で上限がある」
「私立高校の場合は、無料化は一斉には実施されず、個別申し込みが必要」
「郵便会社の規定が変更になるが、今手続きすれば利率が優遇される」
「3年間の返済猶予前に融資を受ければ、それもモラトリアムになるが、そのためには保証金が必要」
――こんな詐欺トークが行われる可能性は、とてつもなく大きいと思ったほうがいいだろう。