「民主党政権」実現で、詐欺師たちが「我が世の春」を謳歌する、「これだけの理由」
作家 夏原武
2009年 10月1日
政権交代に「乗じた詐欺」頻発の予感
選挙による第一党の交代という歴史的な政権交代が行われた。変化への期待は、アメリカのチェンジ同様だろう。その成り行きはこれから徐々に判明していくわけだが、こうした大きな変革が起きたときに注意してほしいのが、詐欺犯罪である。
これまでにも、こうした「社会状況を利用した」詐欺が頻発している。
たとえば、何かと話題になった定額給付金。典型的なのは、以下の報道にあるような例だ。
「19日午前9時ごろ、堺市内の80歳代の女性宅に、市役所の職員を装った男が訪れ、「5万円もらえれば、すぐに(定額)給付金の手続きができます」と偽り、女性から現金5万円をだまし取った」 (2009年3月19日産経新聞)
携帯電話を持たせてATMに行かせるという手口自体は、これまでに行われた「還付金詐欺」などと同じ。話題になっている定額給付金を利用したところが特徴の振り込め詐欺だ。
税金の還付と違い、国民全員が対象となった定額給付金は、施行直前まで方針が揺らいだ上、手続きが煩雑であることも話題になった。こうした「名称の認知度は高いが、実態が不分明」なものは、「詐欺の題材」としてもっとも向いている。被害が広がらなかったのが幸いだった。