■ 登別厚生年金病院存続、関係者ら「地道な活動実る」
【2009年10月2日(金)朝刊】


 長妻昭厚生労働大臣が全国の厚生年金病院を公的病院として存続させることを明言したことで、登別厚生年金病院(登別市登別温泉町、時田捷司院長)の存続に向け署名活動などを展開してきた「登別厚生年金病院の存続を願う会」(岩井重憲会長)や観光協会、市、室蘭市医師会では、「長年の地道な活動が今回の決定に結びついた」と国の対応を歓迎している。

 登別厚生年金病院は国立登別病院が閉院してからは市内唯一の公的病院。観光客、宿泊客、修学旅行生の救急医療にも対応しており、無くなると影響は大きい。

 このため登別医師協議会や、連町、観光協会、商店会、飲食店組合などで構成する「登別厚生年金病院の存続を願う会」などが存続運動を展開。10万人を超す署名が集まったほか、市も積極的に陳情活動を展開してきた。

 今回の決定は、これまでの売却などの整理合理化案が方向転換。公的病院としての存続が担保されたわけで、岩井会長は「政権が変わったことで実現した。医師不足や研修医制度といった医療の崩壊、弊害が顕著に出ており、地方の医療は疲弊している。こうした社会情勢の中、『地域の医療の灯を消さない』と病院、住民、行政が地道に活動してきたことが、今回の決定につながった」と歓迎。観光協会の奥村修専務理事も「厚生年金病院は修学旅行誘致、温泉客の安全には欠かせない存在。長年の懸案だったが、念願がかなった」とホッと胸をなで下ろした様子だ。

 出張中の小笠原春一市長は鳩山由紀夫総理、長妻厚生労働大臣と会い感謝の意を伝える予定でいるが、高田正紀副市長は「詳細はまだ分からないので気は抜けないが、市民の願いがいい方向に行っている」と国の動向を注視していく考え。岩井会長はさらに「今後は温泉という地域の特色を生かした新しい医療の挑戦を」と将来方向にも期待を込めている。
(野崎己代治、竹浪恒一郎)




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