「最後のパレード」事件に関する公式見解とお知らせ
2009年10月1日
2009年4月20日以降の「最後のパレード」に関する報道後、書籍の回収という結果に至り、読者の皆様および関係者の皆様に多大なるご迷惑をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます。
「最後のパレード」の著者である私は、株式会社サンクチュアリ・パブリッシングの編集者と共に、書籍「最後のパレード」の出版に携わってきました。結果的に現行法の著作権法をクリアしていない「欠陥商品」を世に送り出してしまいましたことを重ねて謝罪いたします。誠に申し訳ありませんでした。
「欠陥商品」であることに気付かずに出版に至ってしまった最大の原因は、著者である私も、商業出版社である株式会社サンクチュアリ・パブリッシングの編集者も、現行法の著作権法を熟知していなかったことと私は認識しています。
読売新聞により「盗作の疑い」と報道されましたが、著者も出版社の編集者も、読売新聞に掲載されたオリジナルの著作物の存在を知っており、罪となる事実を認識した上で「盗んだ」ことはありません。すべてのエピソード(体験談)は書籍に明記したように、「東京ディズニーランド関連資料、東京ディズニーランド元関係者の方々の談話、東京ディズニーランドのファンサイトの情報などを基に再現したもの」です。
しかしながら、たとえファンサイトに掲載されているエピソードを基に再現したものであっても、現行法では「海賊版の制作」であることには変わりありません。
著者である私は、ディズニーランドにおける体験談のファンサイト等への善意での公開は、「語り継がれるべき戦争体験談」「読み聞かせるべき被爆体験談」の公開と同じように、時間、空間を超えて人々が共有するべき「貴重な情報」「著作権の生じないデータ(記録)」の公開と同じであり、公開者に権利が生じない「公共的情報」ととらえていました。
私が勤務していた頃のディズニーランドも、ゲスト体験談の公開には積極的であり、株式会社オリエンタルランドの元役員も、講演等において「最後のパレード」に掲載された「天国のお子様ランチ」のエピソードをたびたび紹介していたことも事実です。元役員や多くの仲間たちと共にディズニーランドを創生してきた私には、「公共的情報」を公開する権利と義務があるものと信じて疑わなかったことも失敗の原因です。
もう一つの失敗です。私の著作権に関する認識の甘さがありました。私は性善説的に、著作権の侵害(権利を侵して、損害を与える[大辞泉])を親告されても、事後に誠意を持って対応することにより問題は解決されると考えていました。この認識は株式会社サンクチュアリ・パブリッシングの鶴巻謙介社長も共有しており、鶴巻氏は、5月22日の産経新聞掲載のインタビュー記事で同認識であると話されています。
このように、著作権に関する間違った認識が「欠陥商品」を生みだし、回収に発展するという結果に至らしめました。
著者である私は、報道から約2ヶ月後の6月中旬に、株式会社サンクチュアリ・パブリッシングより、「著者が欠陥部分を7日以内に修復しないと出版契約を解除する」という内容の催促状を受け取りました。
この間、「最後のパレード」の回収決定も、関係者への謝罪広告の掲載も著者である私との協議を経ずに行われており、株式会社サンクチュアリ・パブリッシングの著者である私への対応に不可解感を抱いていたのは事実ですが、この一方的な催促状には正直、義憤の念を禁じ得ませんでした。
数日後に、弁護士と面談し「何が起こっているのか」がはじめて理解できました。
この書籍「最後のパレード」の「発案」「企画」「設計」は、出版社主導で執り行われましたが、初期段階から現行法の著作権法のクリアができないという「欠陥」を抱えていたのです。大手出版社であれば稟議書が通らなかった可能性が高い商業出版に加担してしまったと私は反省しています。
それでも著者である私は、「最後のパレード」の読者のこの本に対する気持ちを思い測ると、公衆の面前で株式会社サンクチュアリ・パブリッシングとの「敵対した泥沼の争い」を繰り広げることだけは避けようと考え、「最後のパレード」の改訂版の出版も視野に入れ、友愛精神を基に、弁護士に円満解決に向けての対応を依頼しました。
私が、書籍の回収後に残された問題の解決を一任した弁護士は高名な先生です。先生は私に「良い仕事をすることにより名誉を回復しなさい」と仰ってくださいました。私は先生のこの言葉を重く受け止め、今後、地球温暖化防止などの分野で良い仕事をし、社会に貢献していくと共に、失墜した名誉を回復していきたいと考えております。
しかしながら、今日まで株式会社サンクチュアリ・パブリッシング側は、当方に誠意を持った対応をしてきませんでした。当初はユニセフへの寄付金の返還要求にも応じていただけませんでした。
こうしている間に大きな事件が発生しました。有名女優の麻薬問題です。この事件は、一見「最後のパレード」事件とは関連性がないようですが、当事者の私には事件報道の背景にあるものは同じであると確信できます。
別荘への放火が事実であるならば、思想的にはテロ行為と同じです。一昨日(9月29日)には、福岡で15歳の少年二人が、小学3年の男児を海に突き落としたとして殺人未遂と傷害の容疑で逮捕されました。容疑者は「懲らしめてやろうと思った」と動機を語っています。
ここで、皆様に公表しておかなくてはならないことを記します。私はキリスト教徒として新生致しました。イエス・キリストを救いの主として受け入れ、新しい人生において、新しい考え方、新しい人生観、新しい人生の目的を見いだしました。キリストの道こそ最善の道であり、イエス・キリストと共に歩む神への道を前向きに、そして力強く進んでいくことを決意し、9月6日にバプテスマ(洗礼)を受けました。
今後は、「最後のパレード」事件に関する事柄だけでなく、すべてのことに対し、全世界のクリスチャンが共有する教義と価値観に則して発言していくことを誓いたいと思います。
少年が選択した「懲らしめる」行為とは、人をジャッジし(裁き)制裁を加えるということです。聖書は、「裁いてはなりません。裁かれないためです。(マタイの福音書 7章1節)」と教えています。人は人を裁いたとおりに裁かれるのです。
陪審員制度における「推定無罪」の考え方も、このキリストの教えから来ています。
世界中のクリスチャンは、読売新聞の「メディア・リンチ」や、日本で日常的に繰り返されている犯罪容疑者への「懲らしめる」行為やテロと同様な私的制裁行為は、「反キリスト教的な邪悪で野蛮な行為」として忌み嫌っているに違いありません。
読売新聞は5月19日の「最後のパレード」盗作疑惑報道の続報で「中村氏が33の話を選んだ」と報道していますが、事実に反します。
問題となった「白い大きな手」のエピソードを含む40余のエピソードを選び、編集のテーブルに上げたのはサンクチュアリ出版の編集者です。出版社が嘘をついているのか、それとも新聞社が嘘を書いているかのどちらかなのです。エピソードを選択したのは私ではありません。私は聖書に手を置いてこのように証言させていただきます。
この「白い大きな手」の体験談掲載により著作権が侵害されたと表明した、社団法人「小さな親切」運動本部は、著者の私に対し、再三謝罪を要求しています。この件について説明したいと思います。
先に記した「戦争体験談」を例に取ります。
1、社団法人「小さな親切」運動本部は、戦時中の「親切を受け心温まった体験談」を募集した。
2、賞を取った「戦争体験談(オリジナル)」を読売新聞が掲載した。
3、読売新聞に掲載された体験談を読んだ誰かが(著作権を侵害し)複製し、サイト上に公開した。
4、さらに誰かが、複製された体験談を基に、オリジナル体験談に酷似した第二の体験談に再複製しサイト上に公開した。
5、「心温まる体験談」を集めていたサンクチュアリ出版の編集者が、公開された第二の複製体験談を見つけ「心温まる体験談集」の掲載候補として編集のテーブルに上げた。
この経過が事実です。株式会社サンクチュアリ・パブリッシングは社団法人「小さな親切」運動本部に対し、この件で謝罪しています。しかしながら私は、書籍全体の著者である私と、社団法人「小さな親切」運動本部が著作権を主張する個別の体験談との間に接点はなく、著者が社団法人「小さな親切」運動本部に謝罪したくても謝罪する理由が見つからずに困惑しているというのが偽らざる気持ちです。
マハトマ・ガンディーは「真実と愛は必ず勝利する」という言葉を残しています。この言葉を信じる私には、読売新聞との接点もなく、読売新聞による「最後のパレード」の盗作疑惑報道後も、心に一点の曇りもありませんでした。社団法人「小さな親切」運動本部関係者には、神を汚す読売新聞ではなく、神に従う私を信じていただきたい、そう願ってやみません。
「最後のパレード」読者の皆様や関係者の皆様にお伝えしたいこと、お伝えしなくてはならないことを、この場にまだまだ記したいとは思いますが、とてもここには記しきれませんので、別な著作物をもって説明責任を果たしていきたいと思います。
「最後のパレード」の著者である私は、この事件をさらに省察し、過ちを二度と繰り返さないよう、より一層の注意をもって著作業務に邁進していく所存です。この度の過ちをお許しいただき、今後も宜しくご指導いただきますよう伏してお願い申し上げます。
最後にお願いがございます。弁護士の先生には、著者と出版社である株式会社サンクチュアリ・パブリッシング間の調整業務をお願いしております。マスコミによるメディア・リンチの問題や、著作権法の解釈など、「最後のパレード」事件全体に関わる諸問題ついては関与されておりませんので、先生にご迷惑がかかる行為は厳に謹んで頂きますようお願いいたします。
中村 克
当公式声明のポイント
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著者として欠陥商品である書籍を出版し、読者や関係者の皆様にご迷惑をかけたたことを心より謝罪致します。
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私は神に誓って「盗作者」ではないことを表明いたします。
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今後、良い仕事をすることにより名誉を回復していく所存です。
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今後も「最後のパレード」の改訂版出版に向けて、株式会社サンクチュアリ・パブリッシング側とは「敵意」ではなく「友愛精神」を持って残された問題の解決に当たっていきたいと考えます。
今後リリース予定の著作物の概要
タイトル(仮称)「消えたベストセラー本の謎に迫る」 今、白日の下にさらされる回収までの悪のメカニズム
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「最後のパレード」事件の背後にある「悪の連鎖」を生み出す仕組みとは
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足利事件、松本サリン事件の冤罪報道と共通する「最後のパレード」事件の報道被害
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キリスト教徒との聖戦の扉を開いてしまった反友愛精神を貫く読売新聞の大罪
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コンプライアンス違反の原型「江川事件」の延長線上にある「最後のパレード」事件の背景とは
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友愛精神を捨てたオリエンタルランドの疑惑とひた隠していること
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当事者にしか理解できない筆舌に尽くしがたい地獄の苦しみとは
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