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比較(試買)テスト


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ポリフェノール含有食品のテスト


 ここ数年ワインやココアで注目され、テレビや雑誌等の影響で「体に良い」というイメージが広まっているポリフェノールとは、天然の抗酸化物質の総称であり、体内の活性酸素を減らし、ガンや動脈硬化などの生活習慣病、ストレスなどにも効果があると言われています。ポリフェノールは、お茶や赤ワインの他、普段食べている色々な果物や野菜に含まれているが、最近では「ポリフェノール入り」や、ポリフェノールを添加していることを表示している食品も市場に出回っています。
 そこで今回、20代から70代の男女合計146人にポリフェノール含有食品に対するイメージや知識の調査を行いました。また、ポリフェノールの一種である茶類に含まれるカテキン類に着目し、煎茶、玄米茶、ほうじ茶、ウーロン茶、紅茶などで、発酵の有無や度合い、製法等によりカテキン量や総ポリフェノール量等にどのような特徴があるか、また缶飲料等との違いを調べてみました。


テスト対象品

 茶葉:緑茶(煎茶・玄米茶・ほうじ茶)、ウーロン茶、紅茶
 茶飲料:緑茶、混合茶、ウーロン茶、紅茶・ウーロン茶の混合茶、紅茶


テスト結果


1.
アンケート調査結果

 ポリフェノールという言葉を聞いたり、商品の表示を見たりしたことがある人がほとんど(約83%)でした。テレビや新聞等から、ポリフェノールは「赤ワインやカカオなどに含まれていて、抗酸化作用があり、動脈硬化等を予防する」等と具体的に聞いたことがある人が多く、また、色々な作用があって「健康によい」という漠然としたイメージを持っている人も多いようです。ポリフェノールについての知識は、数年前から話題になったことから、「赤ぶどうやブルーベリーの皮の色は、アントシアニンというポリフェノールの色である」、「チョコレートやココアにはポリフェノールが多く含まれている」ことはよく知られており、「お茶の渋味のもととなるカテキン(タンニン)はポリフェノールの一種である」ことも知っている人が多かった。
 
 しかし、「りんごやバナナの皮をむいて放っておくと色が黒くなるのは、ポリフェノールと関係がある」ことを知っている人は少なかった。(図1)「ポリフェノール入り」等の表示があってもなくても、最近特に利用するようになった食品は赤ワイン、チョコレート、ココア、お茶であり、ポリフェノールを添加している食品については少なからず利用している人もいます。
 
  表示のある食品を利用する人は、「健康によい」から、「病気を予防する」からという理由や、それほど期待するわけではないが興味本位に利用する人もいました。一方、利用しない人の理由は、「特にない」けれど、種類が少ないのかあまり見たことがなく気にしていなかったり、ポリフェノールを含む食品に限らず様々な食品を食べるようにしているから「必要を感じない」という人もいました。 


2. 総ポリフェノール量(図2


 総ポリフェノール量は、今回の結果では銘柄間に差が見られたが、平均値で見ると茶葉の中では多い順に煎茶、紅茶、ほうじ茶、玄米茶、ウーロン茶で、茶飲料では緑茶、ウーロン茶、紅茶、混合茶の順でした。ウーロン茶以外は茶葉の方が茶飲料に比べて多く含まれていました。


. 5種類の茶カテキン類

 カテキン類は主に茶の渋味や苦味の成分であり、5種類のカテキン類の合計量の平均値を見ると、茶葉では煎茶が最も多く、玄米茶、ウーロン茶、ほうじ茶、紅茶の順であり、茶飲料では緑茶、ウーロン茶、紅茶、混合茶の順で、全ての種類で茶葉の方が茶飲料よりも多く含まれていました。
 
  総ポリフェノール量と5種類のカテキン類の合計量との関係を見てみると、茶葉の煎茶と玄米茶、茶飲料の緑茶と混合茶では総ポリフェノール量が多いほどカテキン類の合計量も多くなる傾向がみられ、ほうじ茶・ウーロン茶・紅茶では、茶葉・茶飲料共に総ポリフェノール量はカテキン類の合計量に比例しませんでした。これはほうじ茶では製造時に熱が加えられて熱変化したカテキン類が生じたり、ウーロン茶や紅茶では発酵時に他の没食子酸や天然のカテキンが生じたことによるものと考えられます。
 
  また、カテキンの合計量が総ポリフェノール量より少ない結果となったが、これは今回測定した5種類のカテキン類以外の微量なカテキン類やカテキン類が重合したタンニン等が総ポリフェノールの量に含まれていたためだと考えられます。


. カフェイン

 茶の苦味の元となるカフェインは、疲労や眠気の除去、利尿作用があります。カフェインは茶葉では煎茶、紅茶が多く、茶飲料ではウーロン茶、緑茶に多く含まれていました。またポリフェノール量が多いほどカフェインの量も多い傾向が見られました。


. ビタミンC

 ビタミンCは、熱に弱く、それ自身酸化されやすい物質です。茶葉では煎茶が多いが、ほうじ茶、ウーロン茶、紅茶にはほとんど含まれておらず、これは製造の過程で失われたと考えられます。茶飲料では酸化防止剤として添加されているため、ほとんどが茶葉よりも多かった。
 


消費者へのアドバイス

 現在の日本は、飽食気味の食生活、運動不足、ストレス、働き過ぎ等、不規則な生活によりいわゆる生活習慣病が増加してきており、また健康志向が高まっているような背景のもと、健康食品や栄養補助食品などが開発、販売されています。
 ポリフェノールを含む等の表示のある商品が増えてきていますが、ポリフェノールについてはまだまだ研究段階であり、効能やどれだけ摂取すれば効果があり、どれだけ摂取すると身体に悪い影響を与えるか等については、はっきりと分かっていません。 日頃から健康に気を配っている人も配っていない人も、「健康によい」と聞くとその食品を以前より意識して多く摂取したくなったり、自己満足したりすることが多いようです。しかし、ポリフェノール類は野菜や果物に含まれており、また、どんな食品にも優れた栄養成分があるので、同じものを沢山食べるのではなく、いろいろなものを適量、バランス良く食べ、適度に運動することが健康に一番良いことだと再認識し、自分のライフスタイルを見直して健康を維持する努力をしましょう。
お茶については、日頃からよく飲む人も飲まない人も他の食品と同様、おいしく色んな種類のお茶を飲んでみてはいかがでしょうか。


 
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