【社説】留学生を「韓国嫌い」にさせている大学
数日前、ソウル大学の「外国人学生会」会長を務めたトルコ出身の留学生、カサル・ヤウズ・セリム(経済学科3年)さんが本紙のインタビューで、「大学が留学生を韓国嫌いにさせている」と話した。セリムさんは、留学生が英語で相談できる機関がないこと、英語が話せる職員がいないことを指摘した。相談するために教職員を訪ねても、ぞんざいな言葉を使ったり、イライラした態度をされたという。セリムさんは外交学科に進学したかったが、当時英語での授業が1科目もなかったため経済学科に入った。ソウル大にはイスラム系の留学生が150人ほどいるが、寄宿舎や学生食堂にハラール(イスラム教徒が口にしてよい食べ物)料理がないため、やむを得ずアパート暮らしをしているという。
セリムさんの声は、ソウル大に通う40カ国1500人の留学生の不満を代弁しているといえる。ソウル大初の外国人専任教授でコンピューター学科のロバート・イアン・マッケイ教授は本紙のインタビューで、「こんな調子なら、外国人教授はソウル大に来なくなるだろう」と話した。研究費の申請から論文の投稿に至るまで、すべての手続きが韓国語で行われているという。
「韓国の大学はグローバル化が遅れている」という話をよく耳にする。海外への留学生は21万人に上る一方、韓国を訪れる留学生は7万人程度だ。研究実績面では先進国の大学と大差はないが、大学の国際的な評価が常に低いのは、外国人教授と外国人学生があまりにも少ないからだ。最も大切なのは意思の疎通だ。グローバル知識競争の時代には外国の学問や技術を受け入れ、わが国の知識と技術を世界に広め、影響力を強めていかなければならない。そのためには、外国人教授や留学生がコミュニケーションの面で不便を感じることなく、研究と勉強に没頭できる環境が必要だ。
外国人留学生の相当数は、卒業後に自国のエリートとなる人材だ。彼らを韓国の未来の人的資産にするためには、留学生のための効率的な言語習得コースを設け、英語による講義を大幅に増やし、韓国人学生が留学生をサポートする「バディ制度」を充実させなければならない。また留学生専用の寄宿舎を設け、留学生の管理をサポートする行政システムが必要だ。ソウル大は昨年、国際交流における協力業務を専門的に担当する国際機関を設置するため教育科学技術部(教育部)に相談したところ、「ほかの大学からの要請が相次いだら困る」と言われ、結局中止となった。大学が世界的な競争力を持つためには、教育部の官僚の意識を変えさせるか、いっそのこと大学を教育部から独立させなければならない。
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