名大病院、男児遺体を2カ月安置 遺族は「医療事故」と対立名古屋大病院(名古屋市昭和区)で手術後に死亡した中国籍の男児(1)の遺体が、遺族と病院側との対立で2カ月半、病院の霊安室に安置されたままになっていることが30日、分かった。病院が記者会見して明らかにした。 遺族は「死亡したのは医療事故が原因。ほかの病院で病理解剖し死因を明らかにしてほしい」と要求。これに対し、病院側は「第三者の医師の立ち会いの下で当院で解剖したい」としている。 病院の説明では、男児はぜんそくのような症状があり、3月に名大病院で受診。胃液が食道に逆流する症状などに起因する「肺高血圧症」と診断された。その後、入退院を繰り返し、7月13日に胃液が逆流するのを防ぐ手術をしたが、15日に病状が急変し死亡した。 病院は外部有識者を交えた院内検討会を開催。検討会は「医療行為自体に問題はなかったが、家族への手術のリスク説明が不十分だった」などと指摘。病院は遺族に謝罪するとともに、9月7日、説明責任を果たしていなかったとして、名古屋簡裁に和解金を支払う調停を申し立てた。 一方、遺族は弁護士を通じて別の病院での病理解剖や、投与された薬剤の検査を名大病院に求めている。 【共同通信】
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