伊万里市と有田町が進める公立病院統合計画に対し、有田町の住民グループ「有田をよくする会」(約30人)は30日、計画の是非を問う住民投票の実施を目指して、地方自治法に基づく手続きに着手した。同会の岩尾俊志代表(54)は「計画には多くの町民が反対しており、町は民意を問うべきだ」としている。
岩尾代表は同日、町に住民投票条例制定を請求するための「請求代表者証明書の交付申請書」を提出。請求には有権者の50分の1に当たる350人分の署名が必要で、よくする会は同証明書の交付を受け次第、署名活動を始める方針。住民投票の実現には、町議会が同条例案を可決することも条件となる。
計画では、市立市民病院と町立有田共立病院を統合し、2011年度に町内に新病院を開設。両市町は「診療科目の充実や医師確保の面で利点が見込まれる」としているが、岩尾代表は「自治体病院の経営責任が不明確になる。税金の無駄遣いだ」と批判している。
=2009/10/01付 西日本新聞朝刊=