▽多目的利用を志向
ドクターヘリの活用について検討してきた島根県は、開会中の県議会定例会で、2011年度中の導入を目指す考えを表明した。急患の医療機関への搬送のほか、医師の中山間地域への派遣など多目的利用を志向している。
本年度は、医療関係者などでつくる検討会の意見も聞きながら、ヘリコプターを配備する病院の選定、防災ヘリとの連携、運行体制などを引き続き検討する。来年度は、運行を委託する会社との調整、格納庫などハード面の整備、訓練などに取り組む。配備病院は、検討会が提言した県立中央病院(出雲市)と島根大医学部付属病院(同)の2病院から選定することになりそう。
ドクターヘリは、医師や医療機器を乗せて患者のいる現場に駆け付け、初期の救急処置をした上で病院に搬送。救命率向上や後遺症の軽減を図る。
年間1億7千万円とされる運用費には国の補助がある。一方で用途の制限もあり、医師の離島や中山間地域への派遣、長時間搬送が無理な入院患者の別病院への搬送など、多目的な活用について、国と協議する。(金山努)
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