鹿児島県は、離島の救急患者の搬送に運用している県消防・防災ヘリコプター「さつま」を1日から、同県本土でも運用する。へき地から、設備が整った鹿児島市の高度医療機関への搬送に利用。搬送時間の大幅短縮により、救命率の向上が期待される。
ヘリは枕崎市の基地に待機。鹿児島市内の高度医療機関への転院が必要な救急患者が発生したり、医療機関が遠い場所で災害被害者が出たりした場合に、地元の医師らの要請を受け出動。協力する鹿児島市内9病院の医師か、地元の医師が同乗し、救急患者を同市内の病院に運ぶ。
運用時間は午前8時半-午後5時。これまで救急車で1時間50分かかっていた出水市は20-30分、同1時間40分の鹿屋市は30-40分、搬送時間を短縮できるという。
「さつま」は1998年度、災害の被害状況調査や空中からの消火活動などを目的に導入。同年度からは、医師を乗せて種子島や屋久島、甑島などの離島の救急患者を鹿児島市に運ぶ「患者搬送業務」の運用も始め、毎年度30-50回出動。本土での運用が始まると、合わせて年100回程度の出動になる見通しという。
=2009/10/01付 西日本新聞朝刊=