2009年10月1日7時45分
福岡県大牟田市で小学3年の男児(8)に暴行し、川に突き落として殺そうとしたとして、15歳の少年2人が殺人未遂容疑などで逮捕された事件で、少年らが暴行の様子を携帯電話で動画撮影していたことが、少年の友人らへの取材でわかった。県警もこの事実を把握しており、暴行を裏付ける証拠になるとして調べている。少年は友人に「ストレス発散になるぜ」と暴行に加わるよう誘っていたといい、調べには「気絶させて海に入れれば(暴行は)ばれないと思った」などと供述しているという。
逮捕された少年たちの友人が朝日新聞の取材に答えた。友人によると、動画は、逮捕された同県久留米市の中学3年の男子生徒らの携帯電話で、無職の少年が男児の腹をけるなどする場面が約1、2分撮影されていたという。
男児は「ごめんなさい」と泣きながら謝っていたが、無職少年は何度もけっていたらしい。友人は「容赦なく、問答無用というようなけり方だった」と話している。
さらに友人は事件前日の8月5日夜、無職少年から電話で暴行に加わるよう誘われたという。少年は「(男児の)口の利き方が生意気で腹が立つ」と理由を語り、「一緒にするか。ストレス発散になるぜ」と話したという。
友人が止めると少年は「構わん、構わん。ばれんかったらいい。ボコり(殴り)すぎて死んだら、海に捨てればいい」と言ったという。事件後に電話で話した際には「フルボッコした(徹底的に殴った)」と自慢し、「首を1、2分絞めたけど、落ちねえ。あいつ(男児)人間じゃねえ」と笑っていたという。
友人は無職少年と小学校の同級生。少年は小学校卒業時に千葉県に転校したが、今年7月に大牟田市に戻ってきたという。当初は市内のコンビニ店でアルバイトをし、店長は「最初はまじめに働こうとしていた」と話す。しかし、7月末にアルバイトを辞めてからは、髪を染め、右耳にピアスをするなど態度が変わったという。
県警は30日、逮捕した少年2人を殺人未遂と傷害の疑いで送検した。共謀したとされる中学1年生(12)と12歳と11歳の小学6年生の3人については、近く児童相談所に通告する方針。