きょうのコラム「時鐘」 2009年10月1日

 鳩山首相夫妻の行動を見て、ある女性いわく。「ひと昔前の総理大臣とは、かけ離れたカップルね」。由紀夫さん62歳、戦後生まれであることをあらためて考える

5歳違いの67歳、小沢幹事長だったら、飛行機のタラップから降りる光景もずいぶん違ったものになったろう。人間の生活スタイルは、教育環境や個性だけで語れるものではない。世代という不思議な要素に左右されるから面白い

先の日ロ首脳会談で、北方領土問題に関して「われわれの世代で解決したい」と首相は述べた。まだ40代のロシア大統領を意識して「年齢のギャップはあるが」と付け加えたが、国際交渉の舞台に「われわれの世代」という言葉が登場するケースはあったろうか

歴史を異にする日本とロシアの世代認識には深い溝があろう。日本人同士でも鳩山さんと小沢さんの間には戦中と戦後生まれの境界線がある。世代という物差しを、歴史の長さをはかる際にどう使いこなすのか。新たな視点が政治にも必要となるのではないか

40代から70代までの多彩な世代の代表選手を抱える鳩山政権の課題でもあろう。